...吠えかかる痩犬を半分無意識に怕(こは)い顔をして睨み乍ら...
石川啄木 「赤痢」
...石高(いしだか)な道を挽(ひ)き悩んでゐる人間さへが何(ど)んな心をもつてゐるか判らないやうに怕(おそ)れられた...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...枯木夢のなかで怕い老婆は私を背に負つたまゝ真黒な野をつ走つた...
原民喜 「ある時刻」
...こりや怕い事は無い...
樋口一葉 「たけくらべ」
...主人もちなら主人が怕(こは)く親もちなら親の言ひなり...
樋口一葉 「にごりえ」
...現在のお蘭さまは懷かしく床しきほかに恐ろしく怕きやうにて...
一葉 「暗夜」
...其樣(そん)な處(ところ)へ歸(かへ)るに當(あた)るものか些(ちつ)とも怕(おつ)かない事(こと)は無(な)いから私(わたし)が家(うち)に居(ゐ)なさい...
樋口一葉 「わかれ道」
...今は我怕(おそ)れず...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その不気嫌な顔に出遇ふのを怕れて...
牧野信一 「「尾花」を読みて」
...怕れに戦かされて久良は...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...そんな滑稽とも怕ろしとも云ひ難い名前の村々を踏み越えて漸く怒山へ達するのだ...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...わたしは怕れてはゐない...
牧野信一 「書斎を棄てゝ」
...怕るべき手紙を受けとつた上句で...
牧野信一 「タンタレスの春」
...」と彼は怕る/\呟くより他はなかつた...
牧野信一 「痴日」
...新聞なんぞは怕くないぞ...
牧野信一 「肉桂樹」
...触るゝものゝ眼である限りは蜻蛉のそれであつても怕れ戦くのだ――などゝ云つてゐたが...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...若しそれを口外したら嗤はれさうな怕れに他ならなかつたが...
牧野信一 「武者窓日記」
...怕いものはあるでしょう……』『そうですね...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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