...義雄は多少忿懣(ふんまん)の氣味で...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...世間の誰もかれもみんな自分を恨みに恨んでいるような言うべからざる恐怖と不安と絶望と忿懣(ふんまん)と怨嗟(えんさ)と祈りと...
太宰治 「禁酒の心」
...全部に忿懣(ふんまん)を感じた...
太宰治 「佐渡」
...忿懣(ふんまん)やる方ないこの胸の思いを霽(は)らしてやって! と...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...子供じみた忿懣(ふんまん)を洩(も)らすのだと思って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...妙子も一時忿懣(ふんまん)の余り感情の掃け口を求めた迄で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...不敵な忿懣(ふんまん)が消えると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...果して真名古はこの政府の処置に忿懣を感じたと見え...
久生十蘭 「魔都」
...田舎にくすぼる忿懣を歌に託したのであろう...
柳田国男 「故郷七十年」
...抑圧された忿懣がよどんでいた...
山川方夫 「演技の果て」
...「それではやはり甲辰の事のおにくしみがまだ解けないのですか」「甲辰の事に関して水戸藩士の一部が高松侯に忿懣(ふんまん)をいだいているのは事実です...
山本周五郎 「新潮記」
...遠山勘解由はまだ忿懣(ふんまん)がおさまらないとみえ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...彼の激色は火のような忿懣(ふんまん)を加えるばかりである...
吉川英治 「三国志」
...忿懣(ふんまん)に忿懣を重ね...
吉川英治 「三国志」
...ゆうべからの忿懣(ふんまん)も...
吉川英治 「私本太平記」
...忿懣(ふんまん)措(お)かず...
吉川英治 「私本太平記」
...旺(さか)んに忿懣(ふんまん)し...
吉川英治 「新書太閤記」
...忿懣(ふんまん)の矢を引きかねぬ男でな」「さ……そういう噂を世間でちらと耳にしたので...
吉川英治 「親鸞」
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