...忿懣(ふんまん)を胸に蔵して僕は月末毎に千二百円を手渡すのです...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...全部に忿懣(ふんまん)を感じた...
太宰治 「佐渡」
...誰にとも無き忿懣で...
太宰治 「津軽」
...忿懣(ふんまん)やる方ないこの胸の思いを霽(は)らしてやって! と...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...遣る方ない忿懣(ふんまん)を感じているのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...嫉妬と忿懣とで頭が燃えるようなのを感じながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...どういう点に氏の忿懣が集中されているか判らないのだが...
戸坂潤 「社会時評」
...なんだか二人の間の交誼の十分の九は忿懣から成立つてゐるとでも云ひたい位である...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...不敵な忿懣(ふんまん)が消えると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...忿懣(ふんまん)やるかたなく思っていた民政党の参事会員は...
火野葦平 「糞尿譚」
...とはいへこの忿懣はうはべだけのものであつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...不具(かたわ)にまで傷づけられた民族の誇りと声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!そのお前の土を飢えたお前の子らが若い屈辱と忿懣をこめて嚥み下(くだ)すとき――お前の暖い胸から無理強ひにもぎ取られたお前の子らがうなだれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...抑圧された忿懣がよどんでいた...
山川方夫 「演技の果て」
...「どういうつもりでしょう」と登は忿懣(ふんまん)を抑えかねたように云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...「それではやはり甲辰の事のおにくしみがまだ解けないのですか」「甲辰の事に関して水戸藩士の一部が高松侯に忿懣(ふんまん)をいだいているのは事実です...
山本周五郎 「新潮記」
...忿懣(ふんまん)のうえに重なった忿懣である...
吉川英治 「上杉謙信」
...彼の激色は火のような忿懣(ふんまん)を加えるばかりである...
吉川英治 「三国志」
...兄の尊氏へたいする忿懣(ふんまん)を抑えきれずにいた...
吉川英治 「私本太平記」
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