...その忿懣(ふんまん)はほんとは自分に対して向けられるべきなのに...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...私のごちゃごちゃの忿懣(ふんまん)が...
太宰治 「畜犬談」
...誰にとも無き忿懣で...
太宰治 「津軽」
...妙子の仕方に忿懣(ふんまん)を禁じ難いところもあるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...遣る方ない忿懣(ふんまん)を感じているのであるが...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...コノ女ニ対スル云イヨウノナイ忿懣ト憎悪ガ予ノ胸ノ中ニ渦ヲ巻イテ沸キ上ッタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...不敵な忿懣(ふんまん)が消えると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...殺生(せつしやう)な曲者ぢやありませんか」八五郎はまさに忿懣(ふんまん)やる方なき姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...果して真名古はこの政府の処置に忿懣を感じたと見え...
久生十蘭 「魔都」
...不具(かたわ)にまで傷づけられた民族の誇りと声なき無数の苦悩を載せる故国の土地!そのお前の土を飢えたお前の子らが若い屈辱と忿懣をこめて嚥み下(くだ)すとき――お前の暖い胸から無理強ひにもぎ取られたお前の子らがうなだれ...
槇村浩 「間島パルチザンの歌」
...心の中には反抗的な忿懣(ふんまん)のような思想が充ちている...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...「どういうつもりでしょう」と登は忿懣(ふんまん)を抑えかねたように云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...忿懣(ふんまん)の色を表してひとり自分の寝室へ戻って来た...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...娘を医者の誤診のために生涯生き殺しにしてしまった彼の忿懣(ふんまん)の一端をそこに感じて...
横光利一 「馬車」
...忿懣(ふんまん)の色を顔にみなぎらせた...
吉川英治 「三国志」
...また多血から来る鬱々(うつうつ)な忿懣(ふんまん)とをやりばなくしておいでだった...
吉川英治 「私本太平記」
...どういうわけでの?」勝家は内心の忿懣(ふんまん)を抑えながらなじった...
吉川英治 「新書太閤記」
...忿懣(ふんまん)の色を面に現わしたかと思うと...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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