...義雄は多少忿懣(ふんまん)の氣味で...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...忿懣(ふんまん)を胸に蔵して僕は月末毎に千二百円を手渡すのです...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...忿懣(ふんまん)やる方ないこの胸の思いを霽(は)らしてやって! と...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...重ね重ね思いやりがなさ過ぎるのに又しても忿懣(ふんまん)を覚えながら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...コノ女ニ対スル云イヨウノナイ忿懣ト憎悪ガ予ノ胸ノ中ニ渦ヲ巻イテ沸キ上ッタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...ふいに形体(えたい)の知れない忿懣の情に駆られた...
豊島与志雄 「立枯れ」
...不敵な忿懣(ふんまん)が消えると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殺生(せつしやう)な曲者ぢやありませんか」八五郎はまさに忿懣(ふんまん)やる方なき姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...果して真名古はこの政府の処置に忿懣を感じたと見え...
久生十蘭 「魔都」
...忿懣(ふんまん)やるかたなく思っていた民政党の参事会員は...
火野葦平 「糞尿譚」
...とはいへこの忿懣はうはべだけのものであつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...落胆が忿懣に変じ...
平出修 「逆徒」
...やがでその忿懣(ふんまん)は非難に変わって...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...田舎にくすぼる忿懣を歌に託したのであろう...
柳田国男 「故郷七十年」
...忿懣(ふんまん)のうえに重なった忿懣である...
吉川英治 「上杉謙信」
...ゆうべからの忿懣(ふんまん)も...
吉川英治 「私本太平記」
...兄の尊氏へたいする忿懣(ふんまん)を抑えきれずにいた...
吉川英治 「私本太平記」
...忿懣(ふんまん)の矢を引きかねぬ男でな」「さ……そういう噂を世間でちらと耳にしたので...
吉川英治 「親鸞」
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