...私(わし)はどうした結縁(けちえん)か、その顔色(かおつき)から容子(ようす)から、野中にぼんやり立たしましたお姿なり、心から地蔵様が気に入って、明暮(あけくれ)、地蔵、地蔵と念ずる...
泉鏡花 「悪獣篇」
...2.神を念ずる心はかれに取つては本當に生活の中心なのであつた...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...念ずるようにその顔を視詰めた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...救援を念ずるものも防ぎ得ず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...汝を怖れ勇と意氣忘れしめんと念ずるや?汝は槍に逃れ行く我が身の背をばよも刺さじ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...『我の行かんと念ずるを止むる勿れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...されば拙者の気遣いに観音様を念ずるよりは...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...祖父の回復を念ずるルイザの祈祷(きとう)をいっしょにくり返しながら...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...手答(てごたえ)のあれかしと念ずる様子である...
夏目漱石 「虞美人草」
...信仰は二つの神を念ずるを許さぬ...
夏目漱石 「虞美人草」
...昼夜観音経を念ずると斑虎(ふこ)に導かれ故郷へ還り得たと載す...
南方熊楠 「十二支考」
...子丑寅卯と形而上の物の名で数える事となってより十二支と十二禽を離して念ずる事が出来た...
南方熊楠 「十二支考」
...念ずるということもまた結縁(けちえん)である...
柳田国男 「海上の道」
...どうかよい雑誌が出来て沢山の新資料を供与(きょうよ)してくれよかしと念ずるばかりである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...日頃かくあれかしと念ずる方へ...
柳田國男 「和州地名談」
...かう云ふ祈祷に似た言葉を念ずるやうに幾度か唱へた...
吉井勇 「酔狂録」
...さいごのお別れを――と念ずる有縁(うえん)の人々が...
吉川英治 「私本太平記」
...言い換えれば彼が仏を念ずる限り...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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