...しかし快活な甲板士官はやはり両手を組んだまま...
芥川龍之介 「三つの窓」
...それでもその翌日から彼女は去年のとおりな快活な...
有島武郎 「フランセスの顔」
...だから彼女が到着して一時間たち、ロウソクの灯る食堂のほの暗い板材を背景にして、快活な微笑、艶やかな黒髪、桑の実色の琥珀織りを羽織る若くすらりとした人影が見えた時、二人とも彼女の美貌に打たれた様子が見え見えだった...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...かの電信のごときに至りてはその快活なる実に驚くに堪えたり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...しかし彼女達の快活な行動が...
外村繁 「澪標」
...」と彼はほとんど快活な音調で言っていた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...快活な冗談を言い合った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...残り惜しさのない快活なふうで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...快活な奇怪な粗野な不可解な魂であった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「そうだ、快活なあの娘が、このごろ少しふさいでいる、呼ばないでも出て来て、われわれを賑(にぎ)わしたあの子が、めっきり引込思案になってしまったのは気になるよ」そこで二分間ばかり話が切れ、「あの娘は看病に来ているんだよ――病人を連れて来てるんだね、その方が忙しいんだろう」「え……病人を連れて、あの久助という老人のほかに、あの娘に連れがあったのかい」「あったにもなんにも……だが、誰もまだ同じ宿にいながら、その人の姿を見た者が無いんだ、よほどの重体で枕が上らないんだろう」「なるほど……その看病でお雪ちゃんが出て来られないのだな」「多分、そんなことだろうと思う」「それは何人(なにびと)だろう、あの娘の身うちの者か、それとも……」「さっぱり正体がわからないんだ、また、強(し)いて尋ねても悪かろうと遠慮もしているが、とにかく、身内の者には相違あるまい」「近親の看病のためにふさいでいるならいいが……万一ほかの事情であの娘の性格が一変するようでは、かわいそうだ、あんな性格の娘は、どこまでもあのままで保護存養して行きたい」「そうでなくてさえ、このごろは番人がヒヤヒヤしている、飛騨の高山の者だというあの油ぎった後家(ごけ)さんと、その男妾(おとこめかけ)の浅吉とやらが変死してから……留守番や、山の案内がこわがっている、この上、お雪ちゃんでも病みつこうものなら、鐙小屋(あぶみごや)の神主でも祓(はら)いきれまいよ」二人は、いい気持で、こんな噂(うわさ)をしているが、窓の上高く、三階の勾欄(てすり)のあたりを見上げた時、何かこの晴れ渡った白骨温泉場の空気の底に、抜け穴があって、張りきったものが、そこから無限の下へもれて行くような気持がしないでもない...
中里介山 「大菩薩峠」
...玲泉は予が交友中尤も快活なるもの...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...随分の困りものでしてね」「アハハハ快活な面白い人ですな」「宗近と云えば...
夏目漱石 「虞美人草」
...日頃快活な男が今晩に限ってこんなに不機嫌なのは...
野村胡堂 「女記者の役割」
...押へつけるやうにする指のはたらきそのぶるぶると身ぶるひをする愛のよろこび はげしく狡猾にくすぐる指おすましで意地惡のひとさし指卑怯で快活な小ゆびのいたづら親指の肥え太つたうつくしさと その暴虐なる野蠻性ああ そのすべすべと磨きあげたいつぽんの指をおしいただきすつぽりと口にふくんでしやぶつてゐたい...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...だけど貴方には綺麗な女性スパイが必要ですわ」ミショノー嬢が快活な声で言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...夫人は快活なひとで...
久生十蘭 「悪の花束」
...金髪の快活な子で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...不斷に自分をも鍜錬してゆかうとする快活な餘裕さへ自ら保たれてくる...
吉川英治 「折々の記」
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