...忝(かたじけな)さに涙こぼるる...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...偏に御蔭と忝次第に候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...忝(かたじけの)う存じます...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...たゞもう有難さと忝(かたじけな)さで一杯であった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...ソーリン それは忝(かたじけ)ない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...隣りに坐りし三十くらいの叔母様の御給仕忝(かたじけな)しと一碗を傾くればはや厭(いや)になりぬ...
寺田寅彦 「東上記」
...叡覽を忝うしたほどであつたが...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...「私どもは今日の御訪問を忝く存じておりますよ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...うっかりなさらんように――」「忝(かたじけ)ない」侍は...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...忝なく存じ奉ります」と...
直木三十五 「南国太平記」
...一つ、所司代へ訴え出て、その手からも探索させ、又、当方からも、手をつくして――」「御好意は、忝のうござるが、御打ち捨ておき下さるよう――」「然し、余のこととちがい――御遠慮には、及ばん...
直木三十五 「南国太平記」
...それは忝(かたじけな)い...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...思召しは忝(かたじけ)ないが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...主計(かぞへ)はとう/\矢代君へ御たのみ被下候よし、忝奉存候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...うまく渡ることができるかも知れぬ」「忝(かたじけ)のうござります」宗兵衛は心うたれたように平伏した...
山本周五郎 「新潮記」
...必ずあせらずにおやりなさい」「忝(かたじけ)ない...
吉川英治 「江戸三国志」
...――客僧の御忠告のほども忝(かたじけの)う存ずる」云いきって...
吉川英治 「新書太閤記」
...「忝(かたじけの)うござる」と礼をのべた...
吉川英治 「新書太閤記」
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