...彼女との思い出が忘却できず、つらい...
...彼は忘却の彼方に消えていった...
...忘却したい過去がある...
...時間がたてば忘却されるだろう...
...忘却曲線に従って記憶が薄れる...
...その昔の空腹を忘却して...
泉鏡花 「遺稿」
...腰の腫物を忘却してしまふほど安心したのであります...
太宰治 「知らない人」
...世界がすでに忘却し切ってしまった今日となって突然その所在が判明したことでありますから...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...他にCの可能性の存在を忘却していたということに気がつくことがしばしば有りうるであろう...
寺田寅彦 「科学と文学」
...そういう特異な自然観が国民全体の間にしみ渡っているという必須条件(ひっすじょうけん)が立派に満足されているという事実を忘却してはならないのである...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...自己忘却と興奮の刹那だけのことではあったが...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...俳句そのものの本質しているリリックの真精神を意外に忘却しているものが多いのである...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...樂しい忘却をもつた雰圍氣だらう...
萩原朔太郎 「宿命」
...私に一切を忘却させる...
萩原朔太郎 「宿命」
...すぐあの忘却の青一色の懐に呑みこまれてしまうのだ...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...市民は先祖伝来の時計及キヤベツを忘却すべからず...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...私は、その時促すことさへ怖るゝ心地で彼女の姿に吸はるゝやうに見返つてゐたが、そしてその時何んなことを話し、何んな風にして帰つたか、悉く忘却したが、あの瞬間の彼女の瑰麗な氷のやうな印象は今も鮮やかである...
牧野信一 「奇友往来」
...この錯誤からして第二には民藝品への全き忘却が伴ったのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...この完成は技巧をすら忘却せしめるのです...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...また今日文字ある人に忘却せられた古語を拾い上げて...
柳田國男 「地名の研究」
...欲レ弁已忘レ言といふに至つて其自然と己とを合して自他を忘却し...
山路愛山 「凡神的唯心的傾向に就て」
...彼らの繁殖力はその屈辱の忘却力に従つて溪谷を下り...
横光利一 「静かなる羅列」
...日本にいるときの一年の疎遠な時のもつ忘却力が...
横光利一 「旅愁」
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