...故に菩薩は默して一切の苦を忍ぶ」(佛傳涅槃篇)この句は忘れ難い中にも忘れ難い句である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...何かしら立見君の一生に忘れ難い紀念があるのだらう――などが載つてゐた...
石川啄木 「札幌」
...徳本峠の山ふところを埋めてゐた桂の木の黄葉の立派さは忘れ難い...
高村光太郎 「智恵子抄」
...スクリーンの前の幕がおりて席を立ってそうして往来へ出て後までもいつまでも耳に残って忘れ難いものである...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...彼女は粕谷草堂夫妻の新生涯に絡(から)んで忘れ難い恩人の一人(ひとり)である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...それは香水の匂ひなどと違つて極く淡い忘れ難い匂ひである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...其時はまた俺にとつて実に忘れ難い年であつた...
村山槐多 「悪魔の舌」
...この村で見た書堂は忘れ難い...
柳宗悦 「全羅紀行」
...形に特色があって忘れ難いものであります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...それよりも忘れ難いのは夜の引明けに...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...一面こうした優しい親切の気性も忘れ難い...
山本笑月 「明治世相百話」
...寔(まこと)に忘れ難い...
吉川英治 「新書太閤記」
...「――われらにとって忘れ難い慶長五年...
吉川英治 「宮本武蔵」
...子供のどこかへ忘れ難いものになって深く沁みこむ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...忘れ難いというだけのものを残して生きつづけて来た...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...忘れ難いのは、初めてお訪ねしたときの事だ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...さういふ所から前の『みなかみ』とはまた異つた意味で私には忘れ難い一册である...
若山牧水 「樹木とその葉」
...蓋し忘れ難い記憶になったであろうものをと...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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