...又ある人々は新なる精神の伴侶を発見する時は恰かも且て起らざりしが如く彼等の以前経来つた経験を悉く忘れ去るのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...お互にこの不愉快な出来事を忘れ去る日が早く到来することを祈る者であるが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...すぐにはその傷を忘れ去ることができなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...吾々は最も多く忘れ去る...
豊島与志雄 「性格批判の問題」
...意識しないうちに忘れ去るのではあるまいか...
豊島与志雄 「復讐」
...恐らくあすこを忘れ去る者は少いだろう...
豊島与志雄 「文学以前」
...神尾は自分の三ツ目の面を曝(さら)すことの不快を全く忘れ去るほどの興味で...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして主意がどうかうといふことよりも「我が俳句」と云ふ一篇があつただけは忘れ去ることは出來なかつた...
長塚節 「竹の里人〔一〕」
...しかも聴取のすぐあとであらゆるみにくさを眠りのうちに忘れ去るかもしれないという可能性を期待して聴取する...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...決してすっかり忘れ去ることのできない効果がありました」彼はおずおずとつづけた...
アルジャナン・ブラックウッド 森郁夫訳 「秘密礼拜式」
...忘れ去るほど遠ざかってはいなかった...
本庄陸男 「石狩川」
...いやしくも人道心あるものなら久しく忘れ去ることの出来ない恐るべき災厄をそれがもたらすということを今は問題外としても...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...人生の苦というようなものを忘れ去ることのできる力があった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...岸につけばすぐ忘れ去る人々だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ほとんど忘れ去るにまかすといった懶惰(らんだ)なんです...
吉川英治 「随筆 新平家」
...勲功勲功と、匂わせておきながら、血をながして、さて、乱が鎮(しず)まったとなると、けろりと、忘れ去るのが、公卿たちの前例じゃよ...
吉川英治 「平の将門」
...熱い血の中から忘れ去ることができなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...しかし忘れ去るような不人情なことはしたくないというのが親の真情である...
和辻哲郎 「初めて西田幾多郎の名を聞いたころ」
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