...靜子は此夜の心持を忘れる事は出來ぬであらう...
石川啄木 「鳥影」
...国家の安危盛衰の岐(わか)れるところはこの道徳的に精神的にいわゆる人類の共同ということを忘れるや否やにある...
大隈重信 「始業式訓示」
...忘れるのは当然だと...
高見順 「いやな感じ」
...われわれは書の意味を忘れることが出來ない...
高村光太郎 「書の深淵」
...忘れようにも忘れる暇がなかつたのであるが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...しかし芝居のようなざわざわしている所がいちばん『忘れる』に適している...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...これまでのことは忘れるよ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...忘れるより生かす方が……...
豊島与志雄 「反抗」
...わたしは忘れることが出来ません...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...それから焼豆腐も忘れるなよ...
原民喜 「霧」
...おぼえているかしら?」「忘れるわけないわ...
久生十蘭 「あなたも私も」
...まだ自分が云ッたことを忘れるほど盲録(もうろく)はしません...
二葉亭四迷 「浮雲」
...それをカムパネルラが忘れる筈(はず)もなかったのに...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...忘れることもない自分の罪のこれが報いであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...要するに自分の個人としての價値を忘れることは出來ません...
森林太郎 「ロビンソン・クルソオ」
...恩人のあなたを見忘れるなどということは...
吉川英治 「三国志」
...忘れるでねえぞ』草鞋(わらじ)をつけている息子を見ながら老母は鼻をかむのであった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...手付金(てつけ)だけ受取ったからいいやで、忘れるなよ、きのう海の上で、いいつけたことを」「覚えております」「御城内の西の丸裏御門の内――そこにある巨(おお)きな槐(えんじゅ)の樹の下だぞ」「鉄砲のことで?」「そうだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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