...彼女のうちには悲愴な忍苦の影があった...
豊島与志雄 「囚われ」
...リップスはすでに忍苦の快感を考察している...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...「忍苦」は「行為」に対立して...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...すなわち「行為の中の行為」としての忍苦 Erleiden にまで到りつくす...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...すなわち「忍苦」はもはやその放棄しかあり得ない極みにおいて...
中井正一 「スポーツの美的要素」
...思ひ出に非ずあらゆる来(こ)し方の中より心痛まぬを採る故人と共に過した四十年の人生は短いものでもなく随分忍苦に満ちた一生ではあつたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...青白い騎士のやうに凝つと忍苦して「その悪い星廻りを通り越させる」賢こさを有ちつゞけませう...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...ああ之が自暴自棄から起った業とらしい忍苦だと誰が判断するか?おお...
松永延造 「職工と微笑」
...さうした作業上の忍苦は...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...それにはまだ贅沢病に染まない勤勉忍苦の日本人が...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...その忍苦實踐から結んだ實の大きな地方貢獻は夙に有名でもあるし...
吉川英治 「折々の記」
...忍苦忍從の反面であることを...
吉川英治 「折々の記」
...死にもまさる忍苦と遠謀があってのことだ...
吉川英治 「三国志」
...顧(かえり)みれば――それはすべて忍苦の賜だった...
吉川英治 「三国志」
...その結束と忍苦の二つをよく成さしめたものは...
吉川英治 「三国志」
...十内は、彼の泥の手を押しいただき、『御忍苦、お察し仕ります』涙ぐんで云った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...そう観じますれば、ただに君家の怨(えん)をはらしたと云うのみでなく、彼(あ)の衆の示した親子の大愛、美(うる)わしき友の友誼(ゆうぎ)、忍苦(にんく)、潔白、しかも止むなく目的の遂行(すいこう)には、法に触れるを得なかったにせよ、前後の行動には、明かに御法規に対しては、儼然とそれを奉じる念慮(ねんりょ)も伺われているではござらぬか...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...その学問や知識に関する態度のちがいはあっても、人間として沈着で、教養も深く、忍苦に強く、理性に富んで、しかも戦場では人におくれをとらない一方の驍将(ぎょうしょう)として――今朝の今朝まで、彼との縁を、悔いたことなど、ただの一度もなかったのである...
吉川英治 「日本名婦伝」
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