...しかしながら、この永い忍苦は、姉さんにとって、決して無駄(むだ)ではなかったと思う...
太宰治 「正義と微笑」
...君が忍苦三十年の生んだ子...
太宰治 「HUMAN LOST」
...そう想像することによって隊員の忍苦の長い時間的経過を味わうことができる...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...宗教的忍苦、スパルタ的教養、プロテスタンティズムにも流れており、ヨーマン層的倫理にも尾を引くとともに、また一歩方向を変えれば、東洋的、老子的、竹林の七賢の如き、逸人的逃避から、やがて、カストリに一時のつかの間の主観的遊離をむさぼる型態にまで、同じ一つの根をもっているのである...
中井正一 「知識と政治との遊離」
...思ひ出に非ずあらゆる来(こ)し方の中より心痛まぬを採る故人と共に過した四十年の人生は短いものでもなく随分忍苦に満ちた一生ではあつたが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...けれども五人は無言の忍苦を続けた...
夢野久作 「ざんげの塔」
...衆人にさげすまれて来た永年の忍苦も...
吉川英治 「江戸三国志」
...血みどろな忍苦の生涯をささげ...
吉川英治 「大岡越前」
...顧(かえり)みれば――それはすべて忍苦の賜だった...
吉川英治 「三国志」
...あわせて将士の忍苦精励をなぐさめた...
吉川英治 「三国志」
...御自身だけの忍苦ではすまないのである...
吉川英治 「私本太平記」
...われに越王勾践(えつおうこうせん)の忍苦(にんく)あり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...忍苦をひとつにすることができた身を...
吉川英治 「親鸞」
...忍苦忍従(にんくにんじゅう)の大事業にも等しい...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その学問や知識に関する態度のちがいはあっても、人間として沈着で、教養も深く、忍苦に強く、理性に富んで、しかも戦場では人におくれをとらない一方の驍将(ぎょうしょう)として――今朝の今朝まで、彼との縁を、悔いたことなど、ただの一度もなかったのである...
吉川英治 「日本名婦伝」
...その姿のとおり清麗な女性の慎みと忍苦に耐えて来たことも...
吉川英治 「日本名婦伝」
...拙者も永い忍苦(にんく)はしませぬ...
吉川英治 「夕顔の門」
...従って多くの艱難忍苦の経験が堆積しているのであるが...
和辻哲郎 「鎖国」
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