...その灯がこの見るに忍びない光景を照らしだしていた...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...それを考へれば養父に迷惑をかけるのは忍びないことだが...
小穴隆一 「二つの繪」
...てんめんとして去るに忍びない独逸製児島高徳の胸中と...
谷譲次 「踊る地平線」
...手術は惨(むご)いから忍びないと言って...
徳田秋声 「挿話」
...年を取りつゝある両親の手前どうも己れは忍びない...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...わたくしが猶躊躇(ちゅうちょ)しているのは心に忍びないところがあったからだ...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...――ところがその家族が非常な惨状に陥(おちい)って見るに忍びないから...
夏目漱石 「野分」
...何だか自分の身体の悪い事を訴たえるに忍びない心持がした...
夏目漱石 「門」
...自分ひとり日本へ帰るに忍びないと...
野村胡堂 「胡堂百話」
...朝から色々のことに使はれて労れてゐるだらう可哀さうなこの指をこの上労するには忍びない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「僕等(中西氏)プロレタリヤの感情からすれば到底そんな輕薄な概念で片づけてしまうに忍びない」と自らの立場を表明され...
平林初之輔 「中西氏に答う」
...兄弟の一人にいう――鏡に写った自分のきれいな素朴な顔から離れるに忍びないでいる一人に...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...利章は最早坐視するに忍びないので...
森鴎外 「栗山大膳」
...棹や櫂で掻乱するに忍びないようなみごとさであろうと思われた...
柳田国男 「雪国の春」
...「――光泉院様のことを申すのは忍びないけれども...
山本周五郎 「思い違い物語」
...このまま盧将軍と相見ずに別れるにも忍びないから――」といって...
吉川英治 「三国志」
...ここでも別れるに忍びないで...
吉川英治 「三国志」
...そのご最期まで見るには忍びないので...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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