...などと話さるるうちにも枕に頭をつけて居り又は僅に右りの片ひじで躰をささげつつ一つ啖をださるるにもうめぎの声をもらすなど苦痛の様子は見るに忍びない...
伊藤左千夫 「根岸庵訪問の記」
...故意(わざ)と手から離すに忍びないというようにかたく握りしめたりしていましたが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「耳香水」
...僕はお気の毒で黙ってみているに忍びないんです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...それは私の今後の生活の苦闘を思うと彼女をその中に巻きこむに忍びない気がしたからである...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...びっくりさすに忍びないから...
田中貢太郎 「酒友」
...云うに忍びないような事をします...
谷崎潤一郎 「幇間」
...小さい家庭の係累(けいるい)などのためにこの若い燃ゆる心を犠牲にするには忍びないと思う...
田山花袋 「田舎教師」
...ここでお聞過しにするに忍びないのでございまして」「異(い)なことをおっしゃいます...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは到底語るに忍びない...
中島敦 「山月記」
...私の口からは語るに忍びないものがありますが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...さすがに見るに忍びないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さすがに見るに忍びないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...富岡にはたうてい忍びないのである...
林芙美子 「浮雲」
...己はこんな怪しからん事を黙つて見てゐるに忍びないので...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...実に言うに忍びないものがある...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...この上で力で勝つことはなすに忍びない清い気高(けだか)さの備わった方であったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その大悪を見ているにも忍びない...
吉川英治 「三国志」
...晏如(あんじょ)としているに忍びない現象であるのだ...
吉川英治 「新書太閤記」
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