...などと話さるるうちにも枕に頭をつけて居り又は僅に右りの片ひじで躰をささげつつ一つ啖をださるるにもうめぎの声をもらすなど苦痛の様子は見るに忍びない...
伊藤左千夫 「根岸庵訪問の記」
...私はさすがに言うに忍びない...
太宰治 「東京だより」
...桑は不思議な物として見るに忍びないので手厚く葬った...
田中貢太郎 「蓮香」
...父母の悲痛の状態は見るに忍びないほどであつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...折角の美しい感想を破るに忍びない...
永井荷風 「一月一日」
...あたりの景色と調和して立去るに忍びないほど心持よく...
永井荷風 「夏の町」
...一人だけで占有するには忍びないほどの心持にはなっているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...叔父の観覚は勢至丸の器量を見て如何(いか)にもただ人ではないと思ったから徒(いたず)らに辺鄙(へんぴ)の塵に埋めて置くには忍びない...
中里介山 「法然行伝」
...さすがに見るに忍びないか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見るに忍びないのであらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...己はこんな怪しからん事を黙つて見てゐるに忍びないので...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...何か棄てるに忍びないではないか...
柳宗悦 「和紙の教へ」
...棹や櫂で掻乱するに忍びないようなみごとさであろうと思われた...
柳田国男 「雪国の春」
...自分の娘をあげるに忍びないため...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...そのうえ妻子を扶養する経済的負担の苦痛を重ねるのに忍びないで...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
...一人の娼婦(十四五歳より二十歳前後までの)が入口に立つて客を呼んでゐるのは見るに忍びない光景である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...そこへ眼をやるに忍びないのである...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...人手に渡すに忍びない恩人たちの真心の物でもあるし...
吉川英治 「源頼朝」
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