...そして返して貰ふやうに頼まう――それから用事はたゞ私の免職に關することだといつて――讀んで貰ふ必要のないことだといつておかう――リンデン いけませんよ...
ヘンリック・イブセン Henrik Ibsen 島村抱月譯 「人形の家」
...素早く耳うちをして愕く必要のないことを教えた...
海野十三 「深夜の市長」
...なにも英国人と張り合う必要のない国だが...
滝沢敬一 「ブイヨン・ドンゾール」
...英独には地震が少ないからと言って日本で地震研究を怠る必要のないと同様である...
寺田寅彦 「函館の大火について」
...解決する必要のない問題は問題ではないからである...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...今更ここで指摘する必要のない事実だろう...
戸坂潤 「技術の哲学」
...改めてわざわざ決定して見せる必要のない事柄である...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...又仮に有てたにしても敢えて有つ必要のない場合の方が多いだろうが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...自分も母の前では気が咎(とが)めるというのか、必要のない限り、嫂の名を憚(はばか)って、なるべく口へ出さなかった...
夏目漱石 「行人」
...誰(だれ)とも相談する必要のない位地に立っていました...
夏目漱石 「こころ」
...証明する必要のないものは...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...別に必要のない事ですからここには申上げますまい...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...じぶんの頭をうっとりさせる必要のない久世(くぜ)氏が...
久生十蘭 「キャラコさん」
...十萬の英國人が三億の人間を脅かす必要のない事を直ぐ悟り得るであらう...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「劒の教義」
...ふか/″\と外套に包まれてはゐましたが――序(ついで)ながら外套なんてものは暑い六月の夕方には必要のない邪魔物です――女が馬車の踏段から身輕に飛び下りたときに着物の裾からのぞかせた小さな足を見て...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...もう退屈を感じる必要のない場所へ行ってしまった...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...この甥(おい)を見ると(必要のないときでも)なにかねだりたいような気分になるらしい...
山本周五郎 「末っ子」
...自分の命を売って食わなければならない者たちです」「その男たちも事情を知っているのか」「私は必要のないことを情(じょう)にまかせてしゃべるような人間ではございません」「そうらしいな」と兵部が頷いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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