...併し歌ふ必要のないことも經驗する必要はある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...越(こし)より飛騨(ひだ)へ行くとて籠(かご)のわたりのあやうきところどころ道もなき山路にさまよひてこの前置はこの句の価値を増減するに足るほど重要なものではないのでありますから前条句意を解釈する上には必要のないものとして掲げなかったのでありますが...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...なにも英国人と張り合う必要のない国だが...
滝沢敬一 「ブイヨン・ドンゾール」
...他を試みる必要のないほど料理人の腕はわかる...
谷譲次 「踊る地平線」
...それは少くとも卜に必要のないことが卜に附加せられたもの...
津田左右吉 「日本に於ける支那学の使命」
...机竜之助を殺す必要のない如く...
中里介山 「大菩薩峠」
...悠揚として迫ることの必要のない伊太夫が...
中里介山 「大菩薩峠」
...また考える必要のないまでに...
夏目漱石 「思い出す事など」
...新らしい客の来た物音に、振り返りたい気があっても、ぐるりと廻るのが、いったん席に落ちついた品位を崩(くず)す恐(おそれ)があるので、必要のない限り、普通の婦人はそういう動作を避けたがるだろうと考えた敬太郎は、女の後姿を眺(なが)めながら、ひとまず安堵(あんど)の思いをした...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...証明する必要のないものは...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...心を詮索(せんさく)しあふ必要のない明るさがあり...
林芙美子 「浮雲」
...哀れなか弱い女性! 彼らが反抗する必要のない...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...癌研へ紹介する必要のないほど決定的な症状になっているのだと久美子は察した...
久生十蘭 「肌色の月」
...自分の身分では必要のない金を勝つために...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...悩む必要のない点が一つあります...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...必要のないことまで洗い立てるのはよして呉れ...
山本周五郎 「竹柏記」
...も早やそのようなことをする必要のない場合だったが...
横光利一 「旅愁」
...無意識に跳び退いた自分の敏捷を――必要のないあわて振りと――武蔵の眼が嗤(わら)っているように取れたからである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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