...曠野の杜を飛々(とびとび)に心覚えの家数は六七軒と数えて十(とお)に足りない...
泉鏡花 「遺稿」
...心覚えの隔ての襖に触れて試(み)た...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...心覚えに書きとめておいたのかも知れない...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...心覚えに書きつけて置いたものと仮定するのです...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...克彦は心覚えの壁をさぐってスイッチをおした...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...心覚えのあたりまでやって来ると朦ろな月の光に...
豊島与志雄 「地水火風空」
...心覚えの経文を誦(ず)しながら歩いて行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...物心覚えてより工場に入り六時より六時...
根岸正吉 「織工」
...その隠し場所を書いた心覚えの書付けがあるに違いない――とね」「その通りさ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それをまた隠した場所の心覚えに違げえねえ」「――」「近江屋が殺された...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...呂昇のことを心覚えに記しておいた古いノオトを出して見た...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...置場所などにも心覚えがある...
宮城道雄 「レコード夜話」
...心覚えの道を原っぱの方へ歩いたら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その川には私心覚えがあるようで珍しかったので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それを書きこむことを忘れないように心覚えをしてその晩は寝たが...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...いつか大弐を覘って忍び込んだ心覚えの場所から...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...』と独言(ひとりごと)を云つて首を傾けて見たが外に何の心覚えもない...
與謝野晶子 「帰つてから」
...つまりそれは仮りに定めた「物指(ものさし)」というものとの相対的な心覚えにしか過ぎません...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
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