...曠野の杜を飛々(とびとび)に心覚えの家数は六七軒と数えて十(とお)に足りない...
泉鏡花 「遺稿」
...心覚えの隔ての襖に触れて試(み)た...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...唯自分一人の心覚えのためですし勉強のためでありますから...
上村松園 「座右第一品」
...心覚えに書きつけて置いたものと仮定するのです...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...「心覚えに書いておいたものらしゅうございまして...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...あすこへ葬ったんだ」「お母さんの病中の心覚えを……たとえば...
橘外男 「仁王門」
...房一にはその男が近在のどこの部落の者だか心覚えがなかつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...世間にうとい一学究の書斎のガラス戸の中からながめたこの不思議な現象のスケッチを心覚えに書きとめておこうというのである...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...心覚えの経文を誦(ず)しながら歩いて行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...御褒美下さるべし……」云々(うんぬん)の心覚えを...
中里介山 「大菩薩峠」
...三千両は平次の心覚えを辿って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心覚えの漁師町の方へ辿(たど)りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は心覚えに書き付けて置いた懐中紙をだして読みあげた...
本庄陸男 「石狩川」
...その川には私心覚えがあるようで珍しかったので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...心覚えの日誌を」ああそうかと大助は眼で頷(うなず)いた...
山本周五郎 「新潮記」
...ほんの心覚えだけに...
吉川英治 「江戸三国志」
...心覚えのところから蒲団(ふとん)だけを引っ張り出し...
吉川英治 「新・水滸伝」
...つまりそれは仮りに定めた「物指(ものさし)」というものとの相対的な心覚えにしか過ぎません...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
便利!手書き漢字入力検索