...鳥越は私が物心覚えてからかなり人家の密集した町である...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...心覚えに書きつけて置いたものと仮定するのです...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...「心覚えに書いておいたものらしゅうございまして...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...心覚えのあたりまでやって来ると朦ろな月の光に...
豊島与志雄 「地水火風空」
...中里生曰(いわ)くこの「生前身後」のことは最初から小生の心覚えを忙がしい中で走り書をしていて貰うのだから...
中里介山 「生前身後の事」
...心覚えの経文を誦(ず)しながら歩いて行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...物心覚えてより工場に入り六時より六時...
根岸正吉 「織工」
...お礼の心覚えを辿(たど)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...楽譜の心覚えや演奏上の注意やを書き入れるのは...
野村胡堂 「死の舞踏」
...余は始めての会席料理なれば七十五日の長生すべしとて心覚(こころおぼえ)のため書きつけ置く...
正岡子規 「墨汁一滴」
...実はこの心覚えを書くのに就いてそれを読まずにゐるのだが――これに依ると美妙斎の作品の方が世間に公けにされたのは早い事になる...
水野葉舟 「言文一致」
...筒井は心覚えのあるところを捜して見たが...
室生犀星 「津の国人」
...それを書きこむことを忘れないように心覚えをしてその晩は寝たが...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...心覚えの日誌を」ああそうかと大助は眼で頷(うなず)いた...
山本周五郎 「新潮記」
...心覚えも要心しいしいというところがある...
横光利一 「夜の靴」
...内心覚悟を決めて薄笑いをもらしつつ...
横光利一 「旅愁」
...心覚えの所へ手探りをのばしかけますと...
吉川英治 「江戸三国志」
...心覚えのところから蒲団(ふとん)だけを引っ張り出し...
吉川英治 「新・水滸伝」
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