...物心覚えてから十八までの間...
伊藤左千夫 「落穂」
...心覚えに縮図させられる気にさえなった程だった...
上村松園 「土田さんの芸術」
...心覚えに書きつけて置いたものと仮定するのです...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...あすこへ葬ったんだ」「お母さんの病中の心覚えを……たとえば...
橘外男 「仁王門」
...雑記帳の終わりのページに書き止めてある心覚えの過去帳をあけて見るとごく身近いものだけでも...
寺田寅彦 「備忘録」
...心覚えのあたりまでやって来ると朦ろな月の光に...
豊島与志雄 「地水火風空」
...心覚えの経文を誦(ず)しながら歩いて行きました...
中里介山 「大菩薩峠」
...勝敗に心覚(さと)き程は知るによしないものであれ...
中原中也 「山羊の歌」
...心覚えがあるから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼は心覚えに書き付けて置いた懐中紙をだして読みあげた...
本庄陸男 「石狩川」
...余は始めての会席料理なれば七十五日の長生すべしとて心覚(こころおぼえ)のため書きつけ置く...
正岡子規 「墨汁一滴」
...置場所などにも心覚えがある...
宮城道雄 「レコード夜話」
...川窪からもらって来た心覚えの書きつけだの...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...心覚えの道を原っぱの方へ歩いたら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつか大弐を覘って忍び込んだ心覚えの場所から...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...昨日吸ひたる香煙(かうえん)の芳ばしき味ひ、しきりになつかしくて堪へ難きまゝに、われにもあらず長崎の方へ踵(くびす)を返して、飛ぶが如く足を早むるに、夢うつゝに物思ひ来りし道程(みちのり)なれば、心覚え更に無し...
夢野久作 「白くれない」
...』と独言(ひとりごと)を云つて首を傾けて見たが外に何の心覚えもない...
與謝野晶子 「帰つてから」
...心覚えのところから蒲団(ふとん)だけを引っ張り出し...
吉川英治 「新・水滸伝」
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