...そして心得顔(こころえがお)に次の部屋との間(あい)の襖(ふすま)をあける間(あいだ)に...
有島武郎 「或る女」
...すぐ注射をうちましょう」医師は心得顔に...
海野十三 「暗号数字」
...うんとあるから大丈夫」ネッドは心得顔で...
海野十三 「火星探険」
...奥の方にいい席がございます」ボーイ頭が心得顔に先に立って案内した...
海野十三 「地球発狂事件」
...俥夫が心得顔に芝口の方へ帰途をとろうとするのを叱って反対の方角へと走らせた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それから心得顔ににっと卑(いや)しく笑って引き込み...
太宰治 「花燭」
...心得顔した婆がよちよち河原へ降りて来て...
太宰治 「新釈諸国噺」
...心得顔に気軽そうに立ち...
太宰治 「親友交歓」
...更けたる夜(よ)を心得顔に赤々と輝くを望み見れば...
永井荷風 「夜あるき」
...――これは間違いもなくお品さんですぜ」ガラッ八は心得顔に一つ目の橋を渡って両国の方へ早走りになります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「銭形の親分か――いや先刻(さっき)から待っていたよ、いずれ親分が来るだろうと思ってな」有徳の浪人阿星右太五郎は、ひどく心得顔に、平次と八五郎を迎えたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心得顔の女が顔を出します...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜になると、心得顔の仲居が、粋(すい)をきかせて、蒲団を一つ、枕を二つならべて、出て行った...
火野葦平 「花と龍」
...猶折々は河の真中に岩の現はれて白波打ち寄するなど恐ろしげなるに船頭は横ふりむきて知らぬ顔すれば舟は心得顔にやす/\とそをよけてぞ流れける...
正岡子規 「かけはしの記」
...おいらも一緒に行こう」心得顔(こころえがお)で万太郎の先に立ち...
吉川英治 「江戸三国志」
...そんなに遠かアありません」あとは心得顔に代官原(だいかんばら)を横切って彼方(あなた)の土手へあがりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...どうぞこちらへ」蓮見茶屋の女は、心得顔に、二人をいちばん奥の、池に臨んでいる小部屋へ通した...
吉川英治 「大岡越前」
...風老、運転台に心得顔、詩人に年なし、ハンチングをかぶって、赤ら顔のこのオプティミスト(楽天家)、すぐ後ろへ肱を乗っけて、さっそくコース説明、天候予測、談笑風発...
吉川英治 「随筆 新平家」
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