...奥の方にいい席がございます」ボーイ頭が心得顔に先に立って案内した...
海野十三 「地球発狂事件」
...お前にそこは頼む」私は心得顔で立ち上り...
太宰治 「親友交歓」
...」竹さんは何もかも心得顔に...
太宰治 「パンドラの匣」
...更けたる夜(よ)を心得顔に赤々と輝くを望み見れば...
永井荷風 「夜あるき」
...猟師の勘八が心得顔(こころえがお)に...
中里介山 「大菩薩峠」
...「へ、へ、ちょっと当りがつくにはつきましたが、どうも、はや、あんまり子供じみた推量が、自分ながらおかしいくらいなものでございました」「何を言っているのだ」「いや、殿様にもかねて御心配をかけましたことでございますが……」「ふむ――」と主膳はその時、槍の穂先を拭っていたが、万事心得顔に、「あんまり高上りをするとあぶない、もうその辺であきらめた方がよかろう」「お言葉ではございますが、ここまで当りのついたものを、このままではあきらめられません」「当りがついたというのは、つまりその有無の境がハッキリしたというだけの意味だろうなあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいで」心得顔にムク犬を促し立てて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ターナーそっくりですよ」と心得顔である...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...心得顔に引揚げてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心得顔の女が顔を出します...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御新造様」心得顔なお石を店に残して...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...と仲居は心得顔に出て行った...
火野葦平 「糞尿譚」
...猶折々は河の真中に岩の現はれて白波打ち寄するなど恐ろしげなるに船頭は横ふりむきて知らぬ顔すれば舟は心得顔にやす/\とそをよけてぞ流れける...
正岡子規 「かけはしの記」
...「いつもつまらない悪戯(いたずら)をする連中なんだ、今日はこっちで驚かせてやるからな、三人のところへいって、私がどうしても寄らなかった、ずいぶん先へいってしまったと云ってくれないか」「それでどうなさるんですか」「向うがどうするか見てやるのさ、つまりこっちで笑ってやろうというわけなんだ、うまくやってくれ、頼むよ」まさかでたらめだとは思わない、女は心付を貰ってもいるし、こっちの片棒を担ぐつもりかなんぞのように、心得顔に頷いて、店の中へ入っていった...
山本周五郎 「風流太平記」
...おいらも一緒に行こう」心得顔(こころえがお)で万太郎の先に立ち...
吉川英治 「江戸三国志」
...彦右衛門が心得顔に...
吉川英治 「新書太閤記」
...風老、運転台に心得顔、詩人に年なし、ハンチングをかぶって、赤ら顔のこのオプティミスト(楽天家)、すぐ後ろへ肱を乗っけて、さっそくコース説明、天候予測、談笑風発...
吉川英治 「随筆 新平家」
...心得顔して先に歩き...
吉川英治 「宮本武蔵」
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