...頓狂な駄洒落やを巧みに織りこむことにかけてもすこぶる心得たものであった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...しかし、心得たのは、お雪を乗せた駕籠屋で、客の安全よりは自分たちの安全を頭に置いて、竜之助にいわれた通り、お雪を乗せたままの駕籠を中に、程遠からぬいのじヶ原の一軒家めがけて飛ばせてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...海と山とを心得た甲野さんは黙って二人を見下(みおろ)している...
夏目漱石 「虞美人草」
...西洋のいわゆる紳士(ゼントルマン)はもっともよくこの解脱法を心得たものである...
夏目漱石 「野分」
...やって来てお島に縄を打つなんざ心得たもんで」「つまらねえ事を言うな」「ヘエ――」「それより大事な仕事があるんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心得たガラッ八は素早く裏に廻って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...慎九郎は何時(いつ)でも心得たとこそいえ...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...そのイミで、春風柳のような、よほど高踏な小唄を一つずつ聞かせでもするかのように、ただ、都々逸ばかり立てつづけに歌って、「さあ、そちらの大将いかがです」「よッ、心得た...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...笑っちゃいけませんよ、じつはこれ一つきりしか私知らねえんで、小夜衣なんですが」「なに、小夜衣、ウム心得た...
正岡容 「寄席」
...また妄語して他人を罰せしめ愉快と心得た奴は...
南方熊楠 「十二支考」
...大功は小罪を消し一善は一悪を滅すと心得た今日普通の業報説と大いに差(ちが)うようで...
南方熊楠 「十二支考」
...どの猴も必ず楽に木を伝い得るよう心得た人が多い...
南方熊楠 「十二支考」
...よくあらじといい聞かすを心得たりけん...
南方熊楠 「十二支考」
...めがねやでは心得たものです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「心得た!」伝右衛門が叫び返す刹那...
山本周五郎 「松林蝙也」
...報(し)らせてくれい」「心得た...
吉川英治 「大岡越前」
...春日新九郎であったか」「そうじゃッ!試合(たちあ)え」「おお心得た」自斎はポンと笠を投げて...
吉川英治 「剣難女難」
...きっとまたあばれだして、きさまの首をひンねじる日があるからおぼえていろ!」「おお、心得た...
吉川英治 「神州天馬侠」
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