...心待ちにしてゐた私の期待を裏切つて...
心猿 「露伴忌」
...さうして竊に其人の風采を想望して心待ちに待つてゐた...
高濱虚子 「俳諧師」
...此の間からそれを心待ちにしていた河内介へ運よく廻って来たのである...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...もう帰るかもう帰るかと心待ちにしていると自然と表通りを去来する人力車の音が気になる...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...それでも心待ちにしていたが...
豊島与志雄 「好意」
...わたくしは今心待ちに梅の蕾(つぼみ)の綻(ほころ)びるのを待っているのだ...
永井荷風 「葛飾土産」
...重吉は心待ちに待っていたのであるが...
永井荷風 「ひかげの花」
...おかみさんは今日の富を心待ちにして待っているんでございますよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...心待ちにお待ちでした」怪しの若衆は畳ざわりも滑らかに...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...心待ちに待つてゐたよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...石井氏を心待ちしつゝ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...心待ちにしていた伯父からの手紙も来ていず...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...心待ちにしている例の封緘がなくてハトロン封筒が一枚あり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...心待ちにする影は来ないで思わぬ影がぽっかりと現われたり...
吉川英治 「江戸三国志」
...ひそかな天皇のお心待ちは...
吉川英治 「私本太平記」
...なぜまだこれへ見えぬか――というお心待ちな焦躁であった...
吉川英治 「私本太平記」
...いかなる急用がおありか知らぬが、もう少し怺(こら)えてここに療養しておられてはどうかな」「心のうちでは、この春と共に、もっと早く病間を出たいと念じていたのですが、実は、貴公の安否が分るまでと、心待ちに、旁(かたがた)、身の養生をもきょうまで長引かせていたところです...
吉川英治 「新書太閤記」
...心待ちに待っていた秀吉は...
吉川英治 「新書太閤記」
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