...原稿紙に向かって呻吟(しんぎん)しながら心待ちに君を待つのだった...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...それとも三人の男の帰るのを心待ちにしているのか...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...その蔭のほのとあたたか枯づつみ強霜(つよじも)に今日来る人を心待ち十二月十一日 長野ホトトギス会員来る...
高浜虚子 「六百句」
...友あり遠方より来るのをいつもひそかに心待ちにしている状態で...
太宰治 「朝」
...王は女のくるのを心待ちに待っていた...
田中貢太郎 「蘇生」
...今夜も誘いに来やしないかなと心待ちに待つようになる...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...彼は往來を歩きながら心待ちに待っていた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...わたくしは今心待ちに梅の蕾(つぼみ)の綻(ほころ)びるのを待っているのだ...
永井荷風 「葛飾土産」
...岡惚れを口説きそこねたのか」平次は心待ちに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さうして、心ひそかに、昨日山へ行つた富岡の帰りを、心待ちにして、ゆき子は全身が待つ事に集中してゐた...
林芙美子 「浮雲」
...このひとが来るのを心待ちしていたふうで...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...かわいそうなお前の起きてくるのを心待ちに待っていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...心待ちにしている例の封緘がなくてハトロン封筒が一枚あり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この局面たりと、決して、お味方の負けにはなりません」「……ふむ、あれか」秀吉にも、心待ちに、待たれるものがあった...
吉川英治 「黒田如水」
...新九郎はお延の合図を心待ちにしていたが...
吉川英治 「剣難女難」
...二度の大願に江戸を去った新九郎の本懐を心待ちにし合っていた...
吉川英治 「剣難女難」
...いかに朕が心待ちしていたかを察せよ」「かならず宸襟(しんきん)を安め奉りますれば...
吉川英治 「三国志」
...心待ちにしているものとおもわれまする」「もし...
吉川英治 「私本太平記」
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