...身も心も何か大きな力に任しきるその快さ心安さは葉子をすっかり夢心地(ゆめごこち)にした...
有島武郎 「或る女」
...そして自分が憚(はばか)らねばならぬような人たちから遠ざかったような心安さで...
有島武郎 「星座」
...霜げた若い男が、蝋燭(ろうそく)を一束買ったらしく、手にして来たので、湯治場の心安さ、遊山(ゆさん)気分で声を掛けた...
泉鏡花 「怨霊借用」
...その心安さから覚えず微笑した...
薄田泣菫 「独楽園」
...顔の事を考えると神様の前へ立つようで恐ろしくもあり又一切自分を投出してしまうより為方(しかた)のない心安さも感じられる...
高村光太郎 「顔」
...物々しさの代りに心安さがある...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...彼等にとってはある淋しい心安さがあった...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...然し日本の居室と違つて確然と区別のある西洋間の心安さは...
永井荷風 「海洋の旅」
...一時(いっとき)なりとも人に肩代りをしてもらう心安さを...
中里介山 「大菩薩峠」
...伯父は今の生活の心安さを色々と話してくれた...
中谷宇吉郎 「由布院行」
...住み倦(う)めば山に遯(のが)るる心安さもあるべし...
夏目漱石 「薤露行」
...そして氣の置けない心安さを感じさせるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして気の置けない心安さを感じさせるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...自分とはまったく関係のない人の中に身をおいて来た心安さと...
水野葉舟 「黄昏」
...大勢の中に一人いる独特の心安さ...
宮本百合子 「映画」
...呼ばれない時でも大輔はそうした心安さからよく桐壺(きりつぼ)へ来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...という心安さから...
蘭郁二郎 「鱗粉」
...和歌の浦からこの熊野りの汽船に乘り込んで漸く初めて一人きりの旅の身になつた樣な心安さを感じて...
若山牧水 「熊野奈智山」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??