...故郷に歸れる者の親しさと悲しさと心安さとを感ぜざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...身も心も何か大きな力に任しきるその快さ心安さは葉子をすっかり夢心地(ゆめごこち)にした...
有島武郎 「或る女」
...恋に身をまかせる心安さにひたりながら小机に突っ伏してしまった...
有島武郎 「或る女」
...そして自分が憚(はばか)らねばならぬような人たちから遠ざかったような心安さで...
有島武郎 「星座」
...霜げた若い男が、蝋燭(ろうそく)を一束買ったらしく、手にして来たので、湯治場の心安さ、遊山(ゆさん)気分で声を掛けた...
泉鏡花 「怨霊借用」
...げに、田舍の心安さ、一家の人はみな不在と見えたり...
大町桂月 「冬の榛名山」
...この小鬼たちに対して友だちのような心安さから...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...」学生は心安さうに言つたが...
薄田泣菫 「茶話」
...その心安さから覚えず微笑した...
薄田泣菫 「独楽園」
...やはりそれだけの心安さは出来た...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...憂鬱(ゆううつ)な囹圄(ひとや)から遠のいて来た心安さもあった...
徳田秋声 「仮装人物」
...そして氣の置けない心安さを感じさせるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そして気の置けない心安さを感じさせるのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は初めて全身を擧げてあなたの腕に抱かれるやうな心安さと...
水野仙子 「道」
...呼ばれない時でも大輔はそうした心安さからよく桐壺(きりつぼ)へ来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...貧乏神から兄貴とも親分とも頼まれる心安さ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...和歌の浦からこの熊野りの汽船に乘り込んで漸く初めて一人きりの旅の身になつた樣な心安さを感じて...
若山牧水 「熊野奈智山」
...自然と一緒になつて呼吸をしてゐる樣な心安さがそれである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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