...そのままぷいと西比利亜(シベリア)へでも逃げて行かれたらそれっきりだぜ」そう云うと女は心外な表情をして見せて...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...心外な気がしてならなかった...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...心外な気がしてならなかつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...兵馬はそれを心外なりとしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...心外な蓋(ふた)をとれば...
夏目漱石 「虞美人草」
...お前がおかしく思われてもしようがないぞ」といかにも心外な事らしく仰ゃって来られた...
堀辰雄 「ほととぎす」
...およそ心外なことばかりやらされた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...少し心外な解釋だらうと思ふ...
吉川英治 「折々の記」
...おことば中でありますが」こは心外なという血相(けっそう)を示して...
吉川英治 「黒田如水」
...心外なりとばかり...
吉川英治 「三国志」
...そんなにも過大に見えるかと思うたからだ」「これは心外な仰せを」「なぜ心外か」「てまえにすれば...
吉川英治 「三国志」
...消息なきは、夏の初め頃より、鎌倉表におるためと思われまする」「はははは」と、俊基は手の杯を、左近へ与えて「どうやら、土岐は少々、あの若入道に、まいられておるそうな」「これは、心外な」と、単純な彼は、すぐムキな顔になった...
吉川英治 「私本太平記」
...心外な、という顔して、「何の!」と、ばかり追い込むと、信長も負けない気になって、駒の鐙(あぶみ)をたたきに叩いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...退陣をおすすめ申しおる様子に――実は心外ながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...これは心外なり――というような顔をした...
吉川英治 「新書太閤記」
...(……心外なことではある)近ごろめっきり数正の顔には深い皺(しわ)がきざまれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――心外な!彼はまたそれを...
吉川英治 「日本名婦伝」
...束(たば)になっても敵(かな)わない」これは又八にとって心外なる言葉であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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