...そう物惜しみをなさるなよ」「物惜しみとは心外な! 愚老は何とかして日頃の御恩報じがしたい...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...心外な気がしてならなかつた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...いくらか心外な感じがしなくもなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...ただ心外なのは、こうやってどしどし「不良華族」の捨て場にされる平民が、宗秩寮によって箸にも棒にもかからないロクでなしと見做されたということだが、尤も同じく平民と云ってもブルジョアもあれば、プロレタリアもあるので、一概には云えないのだから、その点は安心だとして、併し何より心配なのは、こうやってどしどし「不良」でない華族が減って行きはしないかという点だ...
戸坂潤 「社会時評」
...心外なのはこの指の痛みです...
中里介山 「大菩薩峠」
...兵馬はそれを心外なりとしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...よほど心外なものだったらしい...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...それは――(心外なことを言われて...
三好十郎 「猿の図」
...およそ心外なことばかりやらされた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...心外なりとばかり...
吉川英治 「三国志」
...心外な様子を示して...
吉川英治 「三国志」
...「これは心外な仰せです...
吉川英治 「三国志」
...それとも裏切り者の名和と一つ腹か」「心外なご疑念を」と...
吉川英治 「私本太平記」
...武士下郎(げろう)の輩の膝下(しっか)にねじ伏せられて、荒縄の縛(いまし)めをうけるなどは、およそ心外なと、おん目をつりあげ、「なぜ答えぬっ」と、答えぬ名和長年の横顔へ吠(ほ)えたのも当然だった...
吉川英治 「私本太平記」
...心外な、という顔して、「何の!」と、ばかり追い込むと、信長も負けない気になって、駒の鐙(あぶみ)をたたきに叩いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...心外な仰せ」「だまれ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...心外な顔いろを露骨に示して...
吉川英治 「源頼朝」
...お通は心外なのであろう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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