...まだ物心付かぬうちから東京に育つた――父が長いこと農商務省に技手(ぎしゆ)をしてゐたので――十五の春御茶水(おちやのみづ)の女学校に入るまで...
石川啄木 「鳥影」
...同一(おなじ)道学者何某(なにがし)の有るのに心付いて...
泉鏡花 「婦系図」
...死の巨大な凶報も心付かずして...
梅崎春生 「桜島」
...しかも強いられていることを心付かずにいるごとき心の状態である...
丘浅次郎 「理科教育の根底」
...あるいは原料問屋から心付を強請したりするのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...思いの外内証が苦しいのだなと心付いたことがいろいろあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...斯く申しまする私は私が人心付いてから今日に至るまで...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...幾年間全く忘れ果ててしまった霊廟の屋根と門とに心付いたのである...
永井荷風 「霊廟」
...小さい健三がふと心付いて見ると...
夏目漱石 「道草」
...少しばかりの心付けと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...動(やや)もすれば自(みず)から運動の遅速(ちそく)方向に心付(こころづ)かざること多し...
福沢諭吉 「旧藩情」
...アヽ彼処(あれ)が吉原かと心付(こころづい)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...ひどく粟が乱雑になって居るのに心付いた...
宮本百合子 「餌」
...それとは心付かれぬように芸術性の問題はさけて行っている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そこで心付いて、もうすこし傷が丈夫になったら眠る間腹帯はとることにしようと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...きさまたちにも心付けを呉れてやる...
山本周五郎 「竹柏記」
...じっさいの収入は心付なり酒手だ...
山本周五郎 「雪の上の霜」
...焼餅を焼かれる心配は無いだろうと心付いた...
夢野久作 「巡査辞職」
便利!手書き漢字入力検索