...我はおのが聲の能く調へるに心付きたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...前の銚子を傍(かたえ)へ除(の)けようとして心付く...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...牛飼は少しも心付かず...
巌谷小波 「こがね丸」
...あるいは原料問屋から心付を強請したりするのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...果は舞(まひ)終り樂(がく)收まりしにも心付かず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...思いの外内証が苦しいのだなと心付いたことがいろいろあった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...女の方(ほう)でもそれと心付いたが春子の前を憚(はばか)って...
永井荷風 「ひかげの花」
...幾年間全く忘れ果ててしまった霊廟の屋根と門とに心付いたのである...
永井荷風 「霊廟」
...與吉(よきち)が泣(な)きはせぬかと心付(こゝろづ)いた時(とき)碌(ろく)に洗(あら)ひもしないで出(で)て畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...浅薄と心付(こころづき)ながら...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...一刻も早く使命を完(まっと)うする方が万全の策と心付いた...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「お心付きはございませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浮世のように行わるべからざるは明白なる時勢とも心付かずして...
福沢諭吉 「慶応義塾学生諸氏に告ぐ」
...その時に私は大に心付(こころづ)きました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...あなたは迚も心付きを云って下さるに暇(いとま)ないどころか...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それとは心付かれぬように芸術性の問題はさけて行っている...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...宿屋にも充分の心付けをして「当分娘と共に厄介になるから」と最上等の室(へや)へ案内させた...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...被成御心付(おこころづけなされ)候て被下(くだされ)候はゞ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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