...御物語の祕事(ひめごと)と覺しきには、後に心付きしが、せんすべなかりしなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...ああ、江戸児(えどッこ)はこの味を知るまい、と乗合の婦(おんな)の移香を、楽(たのし)みそうに、歯をスーと遣(や)って、片手で頤(あご)を撫でていたが、車掌のその御注意に、それと心付くと、俄然(がぜん)として、慄然(りつぜん)として、膚(はだ)寒うして、腰が軽い...
泉鏡花 「婦系図」
...万物に通じた根本の原理に心付かぬようでは...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...しばしは夢のやう也しがやう/\に心付...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...果は舞(まひ)終り樂(がく)收まりしにも心付かず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...今の紳士が奥畑であったと心付くと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...吾人はまづ異(ことな)れるこの二種の芸術を鑑賞せんには全然別様(べつよう)の態度を取らざるべからざる事に心付くべし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...心付けば巡査が頻に往ったり来たりしている...
永井荷風 「花火」
...婆さんが勧誘する事の意味に心付くと共に...
永井荷風 「ひかげの花」
...千里の深きより来(きた)る地震の秒を刻み分を刻んで押し寄せるなと心付けばそれが夜鴉の城の真下で破裂したかと思う響がする...
夏目漱石 「幻影の盾」
...いやしくもこれに心付きたる者は...
福沢諭吉 「日本男子論」
...監督フランクリンがそれに心付いていまい...
宮本百合子 「映画の語る現実」
...ひとりでの力につき動かされてしている自分の振舞いに心付いて...
宮本百合子 「女靴の跡」
...『平家』や『盛衰記』を見て心付くことは...
柳田国男 「雪国の春」
...そのうえ高い料金や心付をもらえるのだ...
山本周五郎 「お繁」
...宿屋にも充分の心付けをして「当分娘と共に厄介になるから」と最上等の室(へや)へ案内させた...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...焼餅を焼かれる心配は無いだろうと心付いた...
夢野久作 「巡査辞職」
...私はまだ物心付かないうちから...
夢野久作 「少女地獄」
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