...その野心の目的といふものも...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...しかし彼の心の目もそれでさめたわけではなかった...
壺井栄 「二十四の瞳」
...その上にわれわれの二つの目の網膜には映じていながら心の目には少しも見えなかったものをちゃんとこくめいに見て取って細かに覚えているのである...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...今までは内側へ内側へと向いていた心の目が急に外のほうへ向くと...
寺田寅彦 「自画像」
...人々の好奇心の目的物はやつぱり此の私ではなくて「繪を描いてる何處かの人」であつたのである...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...ややもすればわれわれの中のさもしい小我のために失われんとする心の自由を見失わないように監視を怠らないわれわれの心の目の鋭さを訓練するという効果をもつことも不可能ではない...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...あの画家のような心の目をもった調律師になって...
寺田寅彦 「備忘録」
...人の本心の目に見えざる流れとも称すべきものをまったく知らなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...心の目に感じられぬはうが多いのではないかと思ふことさへある...
長谷川時雨 「夏の女」
...君という心の目当が出来てからは...
久生十蘭 「魔都」
...そんな心の目ざめを描きたいと思つたのだ...
堀辰雄 「生者と死者」
...お母さまがどんなに喜(よろこ)ぶだろう」アーサはやがてお話残(のこ)らずを心の目にうかべるようになった...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...あのお人だ――彼の心の目に浮んだのは...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...闇太郎は、彼独特の、闇を見通す程の、鋭敏な心の目で、一切を見抜いてしまうと、門倉平馬の後について、三斎屋敷へなぞ、はいり込んでしまった自分が、身に汚れでもついたように、悔いられて来るのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...本堂にたたずんで、コソリと、杉葉が、たった一度、裏庭でかすかに鳴るのを聴いた、闇太郎、――ウム、これでよし――と、心の目で、雪之丞が、もはや、寺後(うら)の杜(もり)を抜けて、塀さえ越してしまったのを、見届けてつぶやいたが、――それにしても、俺にゃあ、このままじゃあ、帰えられねえ――お初の奴に、ちょッぴり礼を言わねえことにゃあ――スウッと、本堂を、物の影のように抜けると、いつか、庭へ下りて、さも遠くから、たった今、駆けつけて来たかのような息をし、妙に掠(かす)めた、低い調子で――「吉ッつぁん――黒門町の、もしや吉さんというお人が、このお寺に来てはいやあしませんかね?」庫裡(くり)の、上りがまちに、腰を下ろして、いずれ、悪徒(しれもの)らしいかごかきを相手に、これも寒さ凌(しの)ぎの、冷酒をかぶっていた、がに股の吉が――「たれだ? 俺の名を云うなあ――」と、不気味そうに、びっくりしたような、「手めえは何だ?」どこから、出し抜けにあらわれたか、突如として、暗がりの庭にはいって来た男を見て叫んだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...同心の目を盗んで...
吉川英治 「江戸三国志」
...心の目をひらけば宇宙(うちゅう)の果てまで見えてくるよ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――心の目が、何かこう世の中の怖さがうッすらと見えだして来たために、生れながらの己れに返ってしまったのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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