...固より弱く生れついた者には自己憐憫の心がない譯に行かない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...多少その点に不安心がないこともない...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...「此奴(こいつ)には心がない...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...もしくは、心がないならば、一時その幻影を与えるところのものが、愛が、必要であったろう...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...露ほどもそれを己れの功としてこれ見よがしに誇る心がない...
永井荷風 「妾宅」
...そっと起きていて百遍でも千遍でも心任せに申した念仏は飾る心がないから仏の意にも相応して本当の往生が出来るというものだ...
中里介山 「法然行伝」
...「この泥棒には人間の心がない」平次はツクヅクそう言いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地方の豪家と縁を結んでおけば――そんな下心がないともいわれなかった...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...あの子のように野心がないし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...女王が絵画に関心がないということでしょう」マザロフが声を低くして言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...あたしは忍耐心がないので...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...愛国心がないのですとサ...
三宅花圃 「藪の鶯」
...あのかくれ部屋に机がないのは友ちゃんにゆっくり話しをする世界の中心がないようで可哀そうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...公共事業に従事する者が更に公共の利益を図る心がない有様(ありさま)だ...
村井弦斎 「食道楽」
...しかしエッセーの友愛論は、モンテーニュ個人の友愛論であるが、マテオ・リッチのは友愛概論であって、中心がない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...物ではあろうが心がないと誰がいい得よう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...先祖とか系図とかいうことにまったく関心がない...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...重量の中心がないから...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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