...繊婉にしてよく幽渺たる趣を兼ぬ...
芥川龍之介 「佐藤春夫氏の事」
...横(よこ)に靡(なび)いて婉轉(ゑんてん)として流(ながれ)を操(あやつ)り...
泉鏡太郎 「飯坂ゆき」
...婉曲に所有者の有頂天を甘やかし...
戸田豊子 「歩む」
...これを見るに国貞巧二於閨房美人仕女婉淑之像一先生長二於軍陣名将勇士奮武之図一と刻したれども国芳は決して武者奮戦の図をのみよくせしにはあらず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これを浮世絵に見れば鳥居派の外(ほか)新(あらた)に奥村一派の幽婉(ゆうえん)なる画風と漆絵の華美なる彩色(さいしき)現はれぬ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...あるいは婉約(えんやく)の情...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...婉曲(えんきょく)巧妙(こうみょう)なる言葉の下(もと)に骨(ほね)を銷(しょう)することもできる...
新渡戸稲造 「自警録」
...凄婉(せいえん)な瞳を挙げて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頻りに凄婉(せいゑん)な流し眼を送るお勝に氣兼しい/\丹之丞は斯う言ふのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...哀婉(あいえん)痛切なる佳作が多いような気がする...
長谷川時雨 「九条武子」
...甚だ婉曲にですが...
浜尾四郎 「死者の権利」
...その模様は現代風の婉曲的な語り口では間に合わないので...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...空(から)鉄砲なりしにや」と婉曲に言いまわしているが...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...幽婉縹渺(ゆうえんひょうびょう)として底知れぬ観である――不図耳を澄ますと...
牧野信一 「ゼーロン」
...もう酒場に婉な姿はなかった...
正岡容 「わが寄席青春録」
...婉麗(えんれい)なるあり...
正岡子規 「俳諧大要」
...また今様(いまよう)の美術文学家は往々婉麗の一方に偏し...
正岡子規 「俳諧大要」
...ではなぜ婉曲に答える必要があったか...
和辻哲郎 「孔子」
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