...「帆村探偵の素状を一応調査しておいた方がいいだろうかね」そういって警官の非礼を婉曲に帆村荘六に詫びるのだった...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...発情時は熱情火のごとき動物に化するという意味の婉曲なる言い廻しなのでして...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ドブンと水煙立てて……ジーナが婉麗(えんれい)な身体をくねらせ...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...婉曲(えんきょく)に断りの意味を通じて帰って来たが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...本家が承知してくれないからと云うことにして随分婉曲(えんきょく)にその意味を通じたつもりであったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...婉曲(えんきょく)としおらしさとを欠いた女の態度に...
徳田秋声 「あらくれ」
...」婉曲(えんきょく)に断わるつもりなのかと思ったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...春信が板画の彩色はその幽婉なる画題と同じく...
永井荷風 「江戸芸術論」
...これを見るに国貞巧二於閨房美人仕女婉淑之像一先生長二於軍陣名将勇士奮武之図一と刻したれども国芳は決して武者奮戦の図をのみよくせしにはあらず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...哀婉(あいえん)たる苅萱道心(かるかやどうしん)の一節と来ているのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう少し婉曲(えんきょく)な言い廻しもあろうものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...俺に枕を貸したあの嫋婉(なよ)やかな腕は...
久生十蘭 「湖畔」
...「電話」は婉麗な吉原芸者が禍を転じて福とする好短篇で師走の吉原の点景が妙...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...この句清婉なれども品格卑し...
正岡子規 「俳句の初歩」
...又妻君も自分の友人の悪口を婉曲にいって...
正宗白鳥 「空想としての新婚旅行」
...優婉の節廻しは伊奈節遥かに木曾節にすぐれて居る...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...この作に現われた偉大性と柔婉性との内には...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...やがて静かに上体が婉曲して...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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