...透(す)き徹るかと思うほど青ざめていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...地の底まで徹る樣に...
石川啄木 「赤痢」
...身も心も水の如く透き徹る様な心地だ...
石川啄木 「葬列」
...透徹るほど蒼白い...
石川啄木 「鳥影」
...透き徹るやうな青白い肌をした梨の花の寂しさ...
薄田泣菫 「独楽園」
...紅玉のきらびやかな歯並に沁み徹る初冬のつめたさを飽かず味ひ耽るもののやうに...
薄田泣菫 「独楽園」
...紅熟した肉の冷たさが歯ぐきに沁み徹る御所柿...
薄田泣菫 「独楽園」
...妹はこの兄の志の徹る日を援けるかの如く会社の勤めに通うていた...
鷹野つぎ 「窓」
...どうも透き徹るような美しいお方が多いもんでして...
橘外男 「逗子物語」
...加茂の水の透き徹るなかに全身を浸けたときは齒の根が合はぬ位であつた...
夏目漱石 「京に着ける夕」
...この女の透き徹るような真珠色の肌からは...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...美しく透き徹るような襟足と...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...向に見える山の上でもめらめらと透き徹る焔はゆらいだ...
原民喜 「火の唇」
...それ故目前の争論を惹き起すまいとして耐忍の上にも耐忍をした此日の苦痛は心骨にしみ徹るのであつた...
平出修 「計画」
...心骨にしみ徹るのであつた...
平出修 「計畫」
...いつもものの底まで徹る冷たさ寒さをもった風が吹いて...
室生犀星 「幼年時代」
...よく徹る重みのある声で制止した...
山本周五郎 「雨あがる」
...「――ほっ、ほう……」誰かを呼ぶらしい、清らかでつやのある、よく徹る、若い女の声であった...
山本周五郎 「山彦乙女」
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