...その眼にはすぐ川森爺(じい)さんの真面目(まじめ)くさった一徹な顔が写った...
有島武郎 「カインの末裔」
...煙突みんな煙を吐く空に雲がない(八幡製鉄所)ルンペンが見てゐる船が見えなくなつた(若松風景)ぎつしりと帆柱に帆柱がうらゝか( 〃 )入雲洞房二句窓にちかく無花果の芽ぶいたところひさしぶり話してをります無花果の芽□・もう死ぬる金魚でうつくしう浮く明り徹夜して句集草稿をまとめた...
種田山頭火 「行乞記」
...そこには甘さがあり買かぶりがあり不徹底があり鈍い観察があつた...
田山録弥 「三月の創作」
...西洋へ行く前にどうしても徹底的にわるい歯の清算をしておく必要があるのでおおよそ半月ほど毎日○○病院に通(かよ)った...
寺田寅彦 「自由画稿」
...自分の主張を貫徹するだろう! わたしはそれを信ずる...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...人間は吾身が怖ろしい悪党であると云う事実を徹骨徹髄に感じた者でないと苦労人とは云えない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...憎みに徹する気にはなれなかったのでしょう...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...そして透き徹るような美しさが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...美しく透き徹るような襟足と...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...P・C・Lの滝村・山天・田沼徹等来楽...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...僕も徹夜をつゞけて仕事をした時なんか...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...彼の作家の頭上には不変一徹の清新な雲が虹をはらんで絶え間なく揺曳してゐるのだ...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...徹男さんもそんな人間の一人でした他の人たちもそうでした...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...なんのために夜を徹してこの岩屋へ来る要がある」「それはまさにそうです...
山本周五郎 「新潮記」
...堀を越すと空地になっています」「――よくわかった」徹之助はその図を取って...
山本周五郎 「風流太平記」
...親の贔屓(ひいき)目という本能が邪魔をして徹底した教育鍛練が行われ難い...
夢野久作 「能とは何か」
...何もかも夜明けまでと、徹夜で、一万トンにあまる船腹を、手品のように、不良品とごまかしで、征服してしまうのだった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...徹底的に叩かれて...
吉川英治 「三国志」
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