...反(かへ)つて徳用なりと或人云へり...
芥川龍之介 「雑筆」
...わたしは徳用でもちのよいことを心がけているので...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「ひこうかばん」
...実業家達は小才の利く調法な男を廉(やす)く傭使(つか)へるのだから徳用向きの仕入物を買倒(かひたふ)す気で居る...
内田魯庵 「青年実業家」
...結城(ゆうき)以後影を隠した徳用(とくよう)・堅削(けんさく)を再出して僅かに連絡を保たしめるほかには少しも本文に連鎖の無い独立した武勇談である...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...「御飯は少し硬い位の方がお客が澤山食べないから徳用よ...
高濱虚子 「續俳諧師」
...大箱の徳用マッチを持って来た...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...例は無数にある――(訳者注 以下の言葉はそのままの翻訳不可能なるものあるが故に原語とその意味とをのみ掲ぐる)商人―― Montpellier disponible, Marseille belle qualit.(徳用のモンペリエ物...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本紙ならば反古(ほご)も押入の壁や古葛籠(ふるつづら)が張れて徳用とも答へがたく...
永井荷風 「小説作法」
...徳用無類と雖も煩さくしつッこくボンヤリして気がきかず能く堪うべきに非ざるなり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...紙は何が徳用だとか云ふやうなこま/″\した買物に興味を持つ時代もあるが...
三宅やす子 「買ひものをする女」
...私は世間の人が五円の蝙蝠傘(こうもりがさ)を買うよりそれは三円の品で済ませて台所道具を買った方が徳用だろうと存じます...
村井弦斎 「食道楽」
...先日もイチボの徳用料理をお教え申しましたがイチボより廉い肉で一斤十八銭即ち二斤買っても三十六銭より出ない肉で美味しい料理が出来ますよ」○赤茄子のジャムを長く貯うる法は...
村井弦斎 「食道楽」
...世人は西洋料理と聞くと大層高くかかるように思いますが原料を巧みに使って廃物を利用する点から申したら西洋料理の方が日本料理よりもよっぽど徳用でしょう...
村井弦斎 「食道楽」
...犢(こうし)の頭を一つ買いますと切り別けて脳味噌と舌と顔の厚皮の美味い肉が取れますから大層徳用です...
村井弦斎 「食道楽」
...三人前の料理に用いらるる徳用食料品なり...
村井弦斎 「食道楽」
...お登和なんぞは牛肉でも野菜でも皆(み)んな自分が往って買って来るよ」とこの様子にて推(お)す時はお登和嬢ほど家庭に徳用なる妻はなけん...
村井弦斎 「食道楽」
...前に述べました「鼻ぐすり」の代りに掛け引き一つで行こうとする極めて徳用向きな――同時に千番に一番の兼ね合(あい)迄に緊張した鼻の表現であります...
夢野久作 「鼻の表現」
...「その代り柄や色合はしっかり致しておりますから却(かえ)って御徳用でゲス...
夢野久作 「鼻の表現」
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