...わが国においてそれの微細な萌芽(ほうが)さえも見られなかったことを対比して...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...微細な黴菌が種々の病を起すことを知るに至ったのも皆真に向うて一歩ずつ進んだ結果であるが...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...水中に浮かべる微細な藻類(そうるい)をおのれの口のほうへ送ろうとつとめていて...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...ちょうど蚤(のみ)をつぶすような工合にこの微細な朱唐紙の切片を紙面に貼り付ける...
寺田寅彦 「柿の種」
...各測候所の平均領域の幅員に比して微細なる変化は度外視し...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...もしも温度の影響が大きくその他の微細な雑多の影響が収斂しなかったら...
寺田寅彦 「方則について」
...なおフロイドは性的本能について微細な研究をなし...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...こちらの微細な反応を...
豊島与志雄 「花子の陳述」
...そういう微細な――実は最も重大な――問題は...
豊島与志雄 「理想の女」
...微細な点まで入念に考えあげ...
久生十蘭 「悪の花束」
...露月とは趣を異にしているけれどやはり微細なる趣向における趣味を充分に会得しないように思われる...
正岡子規 「病牀苦語」
...話す調子に表われる微細な性格が感じられるだろうと思います...
宮本百合子 「結婚相手の性行を知る最善の方法」
...また五十倍の地震計に記録を止めないほどの微細な変化が...
武者金吉 「地震なまず」
...繊小な神経が微細な刺戟に感応して...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...そうこせこせと微細なる特色を基礎にしてはおらぬはずと思う...
柳田國男 「地名の研究」
...いちいち自分の微細な動作まで手にとるように分る緊張にも拘らず...
横光利一 「旅愁」
...微細な工夫をしていたが...
吉川英治 「治郎吉格子」
...目につかぬほどの微細な傷がその栓の頸の処にあるものと見覚(みおぼえ)がある...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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