...自然と云ふことを考へる程微弱な自分の力をおもはずにはゐられません...
伊藤野枝 「九州より」
...微弱な風がちょうど偶然太陽の方向に流れていたであろう...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...云わば遠からず爆発しようとする火山の活動のエネルギーがわずかに小噴気口の噴煙や微弱な局部地震となって現われていたようなものであった...
寺田寅彦 「夏目先生の俳句と漢詩」
...――そしてこれに対しても亦微弱な「自由主義」が叫ばれる!)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...云うまでもなく之はファシズムの政治的にはごく微弱な特色でしかない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...ある真面目(まじめ)な人々は公衆の衛生を目的とした戦いを――まだごく微弱なものではあったが――企てていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...微弱ながら放射線の放出をつづけている...
永井隆 「長崎の鐘」
...ああしたいと云う方角も程度も至って微弱なもので...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...三四郎はこの微弱なる「このあいだはありがとう」という反響に対して...
夏目漱石 「三四郎」
...印象が観念と区別できないほど淡く微弱なことも時折は起る...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...また我々は極めてぼんやりした微弱な音についても...
三木清 「認識論」
...その片方の眼から頭がこの間うちの苦しさの微弱なのになって来るのがよく分ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...微弱な地電流といえども...
武者金吉 「地震なまず」
...他人に私の微弱な自我をわざと誇張し...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...しかしそれらはいずれも微弱な地方の土豪に過ぎないものの子であることはいうまでもない...
吉川英治 「黒田如水」
...武器も兵糧も人数も微弱な三河勢では...
吉川英治 「新書太閤記」
...いくら強がっても、微弱な小国が、大国に勝てないのは、明白です...
吉川英治 「新書太閤記」
...現在の資本家階級のそれに比して実に言うに足りない微弱なものである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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