...この画の具だらけの青年をひそかに「猿(さる)」と諢名(あだな)していた...
芥川龍之介 「春」
...画室の至るところ、この隅には手控えの手帖が数冊、ここには子供ばかりをスケッチしたノートがかためて置かれてあり、また階下の画室のどこそこには桜花ばかり描いた縮図帳が、と私の上下の画室内部には、私の絵に必要な用紙、絵具、絵筆から絵具の皿に及ぶさまざまなものが散在していて、私でないとどこになにがあるかということの見当はまずつきそうもない...
上村松園 「画室談義」
...起きるとそのまま歯みがき道具と手拭とをさげて...
海野十三 「第四次元の男」
...或る時は三十二相を具足する御佛の姿となって...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...人間社会の自然史的発達が高度に具体化したものである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...不用な道具などがはいってるきりで...
豊島与志雄 「白血球」
...いはゞ日本人流の手工的方法を加味するには具體的に如何なる方法によつたら良いか...
豊田喜一郎 「プレスの操作に手工業を加味」
...夜具は常子が鉄道便で出した一揃が到着するまで家主のおかみさんの世話で貸蒲団屋から借りることにした...
永井荷風 「来訪者」
...道具を肩にして出かけると...
中里介山 「大菩薩峠」
...立派な英国風の紳士と極端なボヘミアニズムを合併(がっぺい)したような特殊の人格を具えているのに敬服して教授上の苦情をいうものは一人もなかった...
夏目漱石 「博士問題とマードック先生と余」
...血が何處へどんな具合に附いて居るか――唯附いただけでなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は油絵の具の中にひそむ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...電気の街燈の光が蒼白く天井と家具の上部とに映っていたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「変身」
...洒落れた銅金具つきの...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...どうして衆生(しゅじょう)が救われるかのあの他力観が具体的な形において説かれているのである...
柳宗悦 「工藝の道」
...鬼ばばあという渾名を名実ともに具備したうえに...
山本周五郎 「季節のない街」
...つまり具眼の士は感服した...
山本周五郎 「寒橋」
...いずれも忍辱(にんにく)の法衣に具足をよろって居流れているし...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索