...とうてい説き難い微妙に属する...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...自由自在に流れて來る少しづゝ此世の空氣に微妙に温みをそゝいでゐるのが目に見えるやうだ...
千家元麿 「自分は見た」
...顔ほど微妙に其人の内面を語るものはない...
高村光太郎 「顔」
...そして微妙になって行きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは微妙に表現されていて...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...なにか、微妙に複合した、高貴なそのくせ、からみつくようなところもある、たとえば、蒸溜器の中で調合された媚薬の香とでもいったような、言いあらわしようもないふくよかな香気で、それが、水脈のようにあとをひきながら、ほのぼのと広間の出口のほうへ流れている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...羽を微妙に震(ふる)わせたり...
水上滝太郎 「果樹」
...或る微妙にして興味ある展開を示すものと思われるのである...
宮本百合子 「明日の言葉」
...それは微妙にも当の大森氏が立派な思想は生活とはなれていてもそれとして人々を益すると云っている...
宮本百合子 「落ちたままのネジ」
...口のなかにある感触を、何と微妙に、即物的にうたっているでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そういうこともやはり微妙にうつっています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...場内は絶えず微妙に変転するので...
横光利一 「旅愁」
...親のこころ子しらずといったのはその辺の微妙にある...
吉川英治 「上杉謙信」
...自分の顔いろを窺(うかが)う衆臣の心理はいま微妙にうごきつつあるからだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...完全に自分たちの門閥(もんばつ)で朝廷の実権を占めようとする新任の関白藤原基通(ふじわらのもとみち)や鷹司(たかつかさ)右大臣などの意志がかなり微妙に作用しているものと見て大差ない...
吉川英治 「親鸞」
...座の空気は微妙にうごく...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...くねくねと微妙に動いたかと思うと...
蘭郁二郎 「夢鬼」
...これほど自由自在に、また微妙に、心の陰影を現わし得る顔面は、自然の顔面には存しない...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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