...雪の夜の往来は家々も電車も何か微妙に静かだった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...八 同上芭蕉の俳諧の特色の一つは目に訴へる美しさと耳に訴へる美しさとの微妙に融け合つた美しさである...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...色は茶褐、緑青、黄土などが、微妙に混り合い、深く火口に達している...
梅崎春生 「幻化」
...微妙に蠕動(ぜんどう)していた...
江戸川乱歩 「影男」
...「二つの繪」の中に宇野浩二を〔微妙にかばひあつてゐた芥川と宇野との友情を想ふとき...
小穴隆一 「二つの繪」
...微妙につながり合ひ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...第二は、方便的の手法と言つたやうな形があるけれども、しかし、それは、わざとその弱点を攻めるやうな――抵抗療法的なところがあつて、微妙に、且つ有効にその境に至ることが出来るものである...
田山録弥 「心の絵」
...カートンとマネット嬢とダーネーとの三人の最初の交渉が微妙に始っている...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...怪奇は、曾て怪奇なりしものが科学によって克服されればされる後から、愈々微妙に、複雑に、緻密にそれ自身を科学の隙間から突如として立ち現れ来るのである...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...どうなりました」話が微妙になると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...油を塗ったようなドキッとした背を微妙にうねらせて急に飛びあがるような恰好をするかと思うと...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...微妙に動き廻っているものがある...
久生十蘭 「キャラコさん」
...微妙に無視されて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...羽を微妙に震(ふる)わせたり...
水上滝太郎 「果樹」
...この問題が実に微妙に悲喜劇的に現われる...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...人物の完成ということと微妙に相関している...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...微妙にたよっているところがある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...継続性と同時性とを区別する能力――これらは微妙に損なわれているようで...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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