...微妙にものを感じなければならぬ...
芥川龍之介 「僻見」
...メスを握る細い指が微妙に動くのを彼は見ていた...
梅崎春生 「黄色い日日」
...あらゆる年齢に従って首すじは最も微妙に人間らしい味を見せる...
高村光太郎 「人の首」
...微妙につながり合ひ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼の眼は絶えず微妙にも正確な角度をなして活々してゐる...
中原中也 「青年青木三造」
...それは微妙に表現されていて...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...このときほど「偶然」が微妙に押重なり...
久生十蘭 「悪の花束」
...なんとも微妙に身体(からだ)をひねって魚をよけたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...地球自体の動きにつれて微妙に位置を変えるので...
久生十蘭 「泡沫の記」
...微妙に動き廻っているものがある...
久生十蘭 「キャラコさん」
...なにか、微妙に複合した、高貴なそのくせ、からみつくようなところもある、たとえば、蒸溜器の中で調合された媚薬の香とでもいったような、言いあらわしようもないふくよかな香気で、それが、水脈のようにあとをひきながら、ほのぼのと広間の出口のほうへ流れている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...最も微妙に想像された一対(つい)の翼が浮んでいるのが...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...微妙に迫るように...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...人物の完成ということと微妙に相関している...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そういう体の中で命と死とが微妙に交流していた時期の話は自分の今日の命の伝説時代で...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...物覚えのいいところは妾にソックリだ……なぞと極めて細かいところまで微妙に取合せて行く...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...完全に自分たちの門閥(もんばつ)で朝廷の実権を占めようとする新任の関白藤原基通(ふじわらのもとみち)や鷹司(たかつかさ)右大臣などの意志がかなり微妙に作用しているものと見て大差ない...
吉川英治 「親鸞」
...この像の肉づけが実際微妙になされているからである...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??