...殊に白足袋(しろたび)を穿いた足は如何にも微妙に動いてゐた...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...ぬくめられた空氣が際限もない空から太陽の周りからどん/\湯のやうに微妙に注いで來る自分は抵抗する事が出來ない力を身の内に感じる頭がボンヤリして心が切れ/″\にいろ/\の事を思ひ出す永くはつゞかない...
千家元麿 「自分は見た」
...少くとも彼の意識の穂先には微妙にふれてゐるものだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...微妙に動かしながら...
中谷宇吉郎 「異魚」
...そして微妙になって行きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...眼に見えぬ力が山内の生活と行動を微妙に制限し...
久生十蘭 「ノア」
...なにか、微妙に複合した、高貴なそのくせ、からみつくようなところもある、たとえば、蒸溜器の中で調合された媚薬の香とでもいったような、言いあらわしようもないふくよかな香気で、それが、水脈のようにあとをひきながら、ほのぼのと広間の出口のほうへ流れている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...微妙に動きまわっている...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...それほど豐富で複雜な感情をもつた人々が實に微妙に描き分けられてゐたが...
堀辰雄 「ヴェランダにて」
...国王のお世辞で微妙にくすぐられたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...これを翫読してみるとそこにその要点が微妙に捕捉せられているのが認められる...
牧野富太郎 「カキツバタ一家言」
...この頃実に微妙になって来ていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...反駁に対して我々の感情を微妙にするものはないのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あらゆるものが微妙に悦しく思はれたのであつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...そしてその姿態の一つ/\が微妙に眺められた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...座の空気は微妙にうごく...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...私には描出すること望むべくもない微妙に脅迫的な効果が現れた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...これほど自由自在に、また微妙に、心の陰影を現わし得る顔面は、自然の顔面には存しない...
和辻哲郎 「面とペルソナ」
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