...けれども先生の短歌や発句は何か微妙なものを失つてゐる...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...微妙なる音調を尚(とうと)しとするものである...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...この国の微妙なる光に展(ひら)きますると...
泉鏡花 「海神別荘」
......
関口存男 「移轍(Anakoluth)」
...年上だという事実には何か微妙なものがひそんでいるにちがいなかった...
高見順 「いやな感じ」
...そしてわれわれの空間の微妙な形式美を味わっている事には気がつかないでいた...
寺田寅彦 「芝刈り」
...微妙な子供たちの神経を扱いわけるのは...
徳田秋声 「仮装人物」
...子供の声と女の声との微妙な中間にある若い娘の声に合わさっている...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...俳句のやうに微妙なものはないと云はれるが...
中原中也 「詩と其の伝統」
...恰も小声で何事か囁くかのやうな微妙な甘美さに満ちた靴の音が響いた...
牧野信一 「痴酔記」
...皆この微妙な響きをききわけない人たちなのではあるまいか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...微妙な音楽には感動せずにいられない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...繊細微妙なその美しさに感歎した...
横光利一 「欧洲紀行」
...微妙な作用をもって映る...
吉川英治 「新書太閤記」
...人と人との交わりの微妙な味も醸(かも)されるのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...どうしてなかなか微妙なのだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...微妙な線、こまやかな濃淡、魔力ある抑揚、秘めやかな諧調、そういう技巧においてもまた、私の生まれつきのうぬぼれは製作によって裏切られる...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...しかしこの問題は美術鑑賞の微妙な範囲にはいって行く...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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