...その静かで幽かなうちに強い緊張みのある咽び顫うような微妙さをもつのは能楽唯一の境地で...
上村松園 「簡潔の美」
...その切味の微妙さを檜(ひのき)の板で試みる時はまったくたのしい...
高村光太郎 「小刀の味」
...その融合の微妙さとその展開の為方の緊密にしてしかも回転自在な構成の美しさとに観る者は打たれる...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...やつとこさと起き出して開けてくれたよ」この考へ方の微妙さは八五郎の太い神經ではわかりませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その微妙さに学生は気付かなかった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...このように遺伝の作用をも内にはらむ人間の生命の生物としての構成の微妙さを私たちに知らせるのは生理学であろうが...
宮本百合子 「科学の常識のため」
...まことにおどろくべき微妙さであると痛感します...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そして又有機的な微妙さで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...現実のリアルな内容というものが作用して来る来かたの微妙さ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...年とともに益豊富なニュアンスを加えてまざまざとして来るというのは又何と人間の心の微妙さでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あれは批評の精神状態の微妙さで屡思いかえされます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...それもそうだ、というところもあるでしょう? 生活の複雑さ、微妙さ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...似たもの夫婦ということの微妙さもいろいろと感じます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...譬(たと)えようもない微妙さでなみうち痙攣(けいれん)した...
山本周五郎 「薊」
...頭の中に描かれてゆく人間の歴史も停頓する微妙さに...
横光利一 「旅愁」
...その際、語彙、統語法、散文のリズム、各部の比率、語調の微妙さ、転換における優美さと尤もらしさ(場面から場面へ、緩徐で細かなアクションからある程度のタイムスパンに渉る素早く大雑把なアクションへ、及びそれらの逆……等……等……等)、開幕・終結・クライマックス等がどの程度効果的か、ドラマチックなサスペンスと感興、あり得そうな話だという感じと雰囲気、及び様々な他の要素に注意を払う...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「怪奇小説の執筆についての覚書」
...短い節の中に複雜な微妙さを含んで聞きなさるゝ...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
...脚のほそさ、糞を落す微妙さ、そして其処に一羽の友が飛んで来ると一緒にくるくるところがる様にまって行った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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