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浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...発たうといふ気は微塵もないのだ...
石川啄木 「赤痢」
...若き妻は夫の不身持を微塵も仮藉(かしゃく)しなかった...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...その様子には作意の影など微塵もなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...全く寄席の主人となつて高振つた所は微塵もありません...
談洲楼燕枝(二代) 「燕枝芸談」
...微塵もしませんや」「悪い事をせぬて...
直木三十五 「南国太平記」
...今時の日本の女には八百屋お七見たやうに男の容貌(きりやう)に恍惚(うつとり)して身を過(あやま)つやうな優しい情愛と云ふものは微塵もない...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...まず微塵もないと言ってよかろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...微塵も認められないであろう...
中谷宇吉郎 「雪三題」
...「――」お峯の訴へる眼付き――邪念(じやねん)などは微塵もありさうのない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そういう形跡は微塵もないのである...
久生十蘭 「魔都」
...この場合も私情に捉われて遅疑するような事は微塵もなかったのであります...
久生十蘭 「魔都」
...嫉妬らしい素振りは第三者から見ると微塵もなかったのであるが...
平林初之輔 「人造人間」
...まだ不安など微塵も見せなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...おみつが泊つてゐようなどゝは微塵も考へなかつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...快感は微塵もなかった男もそうではなかったか彼は五分の後にはスースーと眠ってしまいそして翌朝私が目をさまして見ると残りのコッペパンを一つと...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...しかし落魄者めいた影の微塵もない明るい笑顔で...
三好達治 「オルゴール」
...晩年の円朝にはそんな気障(きざ)は微塵もなく...
山本笑月 「明治世相百話」
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