...地から生え抜いた様に微塵も動かなんだ...
石川啄木 「葬列」
...地面も微塵も動か無い空も立木も動か無い...
千家元麿 「自分は見た」
...慇懃な小谷さんの平生には微塵もなかった...
鷹野つぎ 「窓」
...将軍家は微塵もそんな事をお気にしてはいらつしやらない...
太宰治 「右大臣実朝」
...微塵も私の心には残らなかった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...車台は微塵も動かない...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「乞食」
...しかもアカイヤ衆軍の掠めて奪ひ去らんもの此處に微塵もわれ持たず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...悪(にく)むべき悪政の主としての記憶は微塵もないはず...
中里介山 「大菩薩峠」
...微塵も認められないであろう...
中谷宇吉郎 「雪三題」
...その心持ちが微塵も分らずに「こんな何食はぬ顔をしてゐて……」と簡単にこそ/\者ときめてゐる孫四郎の心事が彼には此上もなく不愉快だつたのである...
長與善郎 「青銅の基督」
...伝法な調子は微塵もありません...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...彼男(あれ)とても惡る氣は微塵も無き人なれば...
一葉 「暗夜」
...そういう形跡は微塵もないのである...
久生十蘭 「魔都」
...そんな気は微塵もないが...
二葉亭四迷 「平凡」
...当時は全く心配ごとなど微塵もなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...晩年の円朝にはそんな気障(きざ)は微塵もなく...
山本笑月 「明治世相百話」
...しかも微塵も鼻の表現をたじろがせずに常に先方に遺憾なき感動を与えるのをお茶の子仕事と心得ているのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...そんな烈しい強いものは微塵もない...
吉川英治 「親鸞」
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