...死んだ者同様に意識なく医員らの目の前に横たわっていたのだ...
有島武郎 「或る女」
...そしてこのような問題の概念なくして問題意識なくして...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...意識なくして起すものにはあれど...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...お粂は意識なくその方へ駆け寄っています...
吉川英治 「江戸三国志」
...しまッた! と意識なくうごいた彼の手が...
吉川英治 「江戸三国志」
...幼ない者の泣くのを聞けば――はっと意識なく胸をつかれた...
吉川英治 「大岡越前」
...高氏は自己の煩悩と当惑を、意識なく、男の憤怒にスリ換えていた...
吉川英治 「私本太平記」
...おそらく、彼の胸には、意識なく、平時の日に坐っていた“禅”の禅機が生きて働いていたにちがいない...
吉川英治 「私本太平記」
...領主へたいして意識なくついしていた自分の不作法から我に醒(さ)めて...
吉川英治 「私本太平記」
...ただ彼の生命を構成している肉体の全機能が、その一瞬に、三尺に足らない刀身に凝(こ)りかたまって、まだ五歳(いつつ)か六歳(むっつ)の幼少から、きびしい父の手でたたきこまれたものだの、その後、関ヶ原の戦(いくさ)で体験したものだの、また、独り山の中へ入って樹を相手に自得したもの、さらに、諸国をあるいて諸所の道場で理論的にふだん考えていたものだの、およそ今日まで経て来たすべての鍛錬が、意識なく、五体から火花となって発しているに過ぎないのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...(勝たねばならん! 勝たねばならん!)人知れず――いや自己さえ意識なく...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――が、そういう超然らしい考えがふと頭をかすめるだけでも、体じゅうの毛穴は、意識なく、そそけ立っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ほとんど意識なく...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...今でもその下地(したじ)が意識なく出るのである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索