...微かに、船体が、グッと持ちあげられたように感じた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...脈は微かで早かったけれど...
海野十三 「地球盗難」
...微かに燐光を発していた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...それと微かに指さゝれ出して来た...
田山録弥 「犬」
...松の声と波の音とが微かに其所から聞えて来た...
田山録弥 「百日紅」
...星あかりのやうなものが微かにも地上に及んでゐると見えて...
田山花袋 「道綱の母」
...日を経るにつれてその悲哀も次第に薄く微かになつて行くやうな夕暮の空気が...
田山録弥 「百合子」
...まるで遙か野の涯に見る微かな一点の火のように...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...義観と仰せられる方のお住居は」微かに...
直木三十五 「南国太平記」
...彼はいきなり微かな明かりが三階に灯るのを見た...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...唇がうごいて微かに彼の名を囁やいた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その微かな参差の奥に人を喚んでゐる...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...あの薄月の微かに差している縁先きで頭の君が帰りぎわに何かしきりに口ずさまれて入らしった姿が思い出された...
堀辰雄 「ほととぎす」
...微かな鼓動を窺つて見たりした...
牧野信一 「鏡地獄」
...私の心は微かに躍りました...
牧野信一 「美智子と日曜日の朝の話」
...石がお互に蜘蛛の糸を微かに引き合うてゐるやうな弱い釣合を見せてゐた...
室生犀星 「京洛日記」
...其額は晴やかで目には微かなかがやきがある...
森鴎外 「高瀬舟」
...微かに肩を顫(ふる)わせた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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