...微かに、船体が、グッと持ちあげられたように感じた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...右源太は、悪人で、あの人に斬られます」右源太は、微かに、それを聞いて「歌っ、何を申す」「うぬっ、刀を持てっ」「いや、何卒、全く人違いにて申訳御座らん...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...微かな足音が遠のいて行った...
直木三十五 「南国太平記」
...微かながらその光を差して...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこからともなく微かに水の音が響きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いよいよ微かになり...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...微かな三本の掻き傷です...
久生十蘭 「魔都」
...はじめて我身の生きてゐたことに微かな知覚を持つのであつた...
牧野信一 「鬼の門」
...流るゝ毎に微かな波をうかべてゐた...
牧野信一 「ベツコウ蜂」
...微かに微かに、なにか、どこか頭の片隅にチラッと影の差すように、そして、そこから、なんかしら、青いような花が匂つている――そういう氣がする...
三好十郎 「肌の匂い」
...その中から微かに灯の光が反射する...
村山槐多 「殺人行者」
...奏楽団(極めて微かに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...微かな叫び声が断続して洩れ出した...
夢野久作 「暗黒公使」
...霞みたる都のかたに午砲(どん)のおと微かに響き...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...谷を隔てて黒い岩質の山が微かな夕の光を反射させている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...金屬性の微かな唸りが一層はつきり聽き分けられる...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...側の者に微かに聞えた...
吉川英治 「大谷刑部」
...「……いいえ」病人は、微かに頭を振る...
吉川英治 「宮本武蔵」
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