...「寂光院はまだ遠いですか」と三藏は茶店の婆さんを顧みる...
高濱虚子 「俳諧師」
...「寂光院さんどすか...
高濱虚子 「俳諧師」
...八寂光院の門はひたと鎖してある...
高濱虚子 「俳諧師」
...人の世を橋にて隔て門を鎖ぢて隔てた此深雪の中の寂光院には人の世の暖か味は先の鐡瓶の湯の外には何物も無い...
高濱虚子 「俳諧師」
...さて寂光院の傍らに...
中里介山 「大菩薩峠」
...寂光院には美しい尼さんがいるという話だが...
中里介山 「大菩薩峠」
...家のさまは人を待つけしきにて庭には枝豆も作れりおもしろの八瀬の竈風呂いま焚かば庭なる芋も堀らせてむもの大原粽巻く笹のひろ葉を大原のふりにし郷は秋の日に干す寂光院途上鴨跖草の花のみだれに押しつけてあまたも干せる山の眞柴か寂光院あさ/\の佛のために伐りにけむ柴苑は淋し花なしにして堅田浮御堂小波のさや/\來よる葦村の花にもつかぬ夕蜻蛉かも廿九日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...その隣には寂光院の屋根瓦(やねがわら)が同じくこの蒼穹(そうきゅう)の一部を横に劃(かく)して...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...その一人が――最も美くしきその一人が寂光院の墓場の中に立った...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...いきなり石段を一股(ひとまた)に飛び下りて化銀杏(ばけいちょう)の落葉を蹴散(けち)らして寂光院の門を出て先(ま)ず左の方を見た...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...寂光院(じゃっこういん)の花筒に挿(はさ)んであるのは正にこの種のこの色の菊である...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...それは先(ま)ずよしとして元来寂光院(じゃっこういん)がこの女なのか...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...これに小説的分子を五分(ぶ)ばかり加味すれば寂光院事件は全く起らんとも云えぬ...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...その足で寂光院へ来て見たが...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...今度は寂光院が襲って来る...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...それから寂光院の不思議な現象に逢ってその現象が学問上から考えて相当の説明がつくと云う道行きが読者の心に合点(がてん)出来ればこの一篇の主意は済んだのである...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...元来が寂光院(じゃっこういん)事件の説明がこの篇の骨子だから...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...西海の青にも似たる山分けて閼伽の花摘む日となりしかなこれは寂光院に入られた建禮門院の上である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
便利!手書き漢字入力検索