...けれども俺(おれ)その者(もの)は至(いた)って微々(びび)たるもので...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...どんなに微々たる一商店にもそれ相当の...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...序欧羅巴に於ける神話学の研究は、嘗て所謂比較神話学派の勃興せし当時に於て、甚しく隆盛を極めし反動の勢未だ止まずして、現今に於ては、寔に微々として、甚振わざるの観なきに非ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...「やつはあんたが積んでもこっちの微々たるものを取るはずだ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「株式仲買人」
...彼の損害なぞは真(ほん)の微々たるものに過ぎなかつたが...
徳田秋声 「のらもの」
...もって社会に誇るの工業といえどもかのワーテルロー〔一八一五年〕のときにあたりては実に微々たる幼稚の姿なりしことを...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...その微々たる生活――子供のいない家の沈黙のなかに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...雑誌は数十種刊行されているが微々たるものであり...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...なんと微々たるものであらう!ジイドの作品を通覧すると...
中原中也 「アンドレ・ジイド管見」
...わが詩の伝統は未だ微々たるものである...
中原中也 「詩と其の伝統」
...初めは微々たる一滴だから...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...微々たる群小詩人の一人に過ぎぬ私も夢の中で二三の詩の構想を得たばかりに...
堀辰雄 「鳥料理」
...未熟な無経験な記者の力は誠に微々たるもので...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...水難救済会はその会の目的が日常的のものであつて今日の赤十字社の如く戦時にのみ働くといふやうなものとは性質を異にしてをるにかかはらずかへつて微々として振はんのは県官の誘導も赤十字社の如くあまねく及ばないのであるか...
正岡子規 「病牀六尺」
...微々たる彼等とても敢てしなかつた...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...実に微々(びび)たるものでしたが...
吉川英治 「三国志」
...この微々たる家が...
吉川英治 「私本太平記」
...まだ微々たるよそ者としてだった...
吉川英治 「新書太閤記」
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