...然(け)れども俺(おれ)其者(そのもの)は至(いた)つて微々(びゞ)たるもので...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...割合世間に名が広まらないで依然として微々たる有様である...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...序欧羅巴に於ける神話学の研究は、嘗て所謂比較神話学派の勃興せし当時に於て、甚しく隆盛を極めし反動の勢未だ止まずして、現今に於ては、寔に微々として、甚振わざるの観なきに非ず...
高木敏雄 「比較神話学」
...まだ微々たる借家住居(ずまい)をしているようでは気の毒だ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...微々たる勢力しか持つて居らなかつた...
田山録弥 「明治文学の概観」
...*微々たる彼ら草木の葉にも似るかな...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...凡てのものの中心であった自分自身が微々たるものになって...
豊島与志雄 「大自然を讃う」
...自己を微々たるものと感ずるのは...
豊島与志雄 「大自然を讃う」
...この校讐通義は單に三卷の微々たる本でありますが...
内藤湖南 「支那の書目に就いて」
...おそらく微々たる現われかたしかしていないのであれ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...微々たる群小詩人の一人に過ぎぬ私も夢の中で二三の詩の構想を得た許りに...
堀辰雄 「鳥料理」
...いつの間にか彼女も微々たる「お伽噺」の端役に変つてゐた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...(滝には名状し難い!)もつと微々たる...
牧野信一 「昔の歌留多」
...まことに微々たるものであった...
宮本百合子 「合図の旗」
...微々たる発明であるだけに...
柳田国男 「木綿以前の事」
...微々たる山間の一武族であっただろう...
吉川英治 「私本太平記」
...微々たる地方の一小官だが...
吉川英治 「平の将門」
...しかしそれにしても彼の軍隊は微々たるものである...
和辻哲郎 「鎖国」
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