...和田さま御謀叛の噂は...
太宰治 「右大臣実朝」
...前にも申し上げましたやうに和田さま御一族のお方たちは揃つて武勇には勝れて居られましたが、陰謀の智略に於いては欠けてゐるところがおありの御様子で、その御謀叛も、すでに二箇月も三箇月も前から取沙汰せられて居りまして、御ところの人たちも前々から覚悟をきめて、各々ひそかに武具をととのへ、夜も安らかには眠らずに警衛をさをさ怠らず、異常の御緊張を以て一日一日を送り迎へして居りましたのに、将軍家に於いては、わけもない御酒宴などお開きになり、その四月七日には御警護の山内左衛門尉さまと筑後四郎兵衛尉さまをお召しになつて不思議の御予言をなされ、お二人とも、颯つとお顔色を変へて拝受の御酒盃を懐にねぢこみ早々に退出なされるのを、おだやかにお笑ひになりながら御目送あそばして、浮キシヅミハテハ泡トゾ成リヌベキ瀬々ノ岩波身ヲクダキツツといふ和歌を一首、いたづら書きのやうに懐紙に無雑作におしたためになり、またもお酒をおすごしなさるのでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...その昔秀次公の御謀叛の時...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...たとい御謀叛のおうたがいがありましたにせよ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...御謀叛(むほん)とこそ見えて候へ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...実は関白殿の御謀叛が露顕いたし...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...御謀叛の形跡は少しも見えませぬ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...斯かる処に吉田修理亮(しゅりのすけ)は摂州芥川に堤の普請を承っていたが、洛中の風聞を耳にして汗馬も息するばかりに馳せ着け、御謀叛の儀、もし真実に思し立っておられますなら、伏見へはお越しなされますな、又聊(いさゝ)かも左様な思召がござりませぬなら、なお此の城に御座なされて、一往も二往も理(ことわり)をお盡しなされ、それでも御宥免がなければ、某(それがし)に一萬の御勢(おんせい)をお附け下さりませ、憚(はゞか)りながら先を懸け奉り、一合戦して忠勤を抽(ぬき)んでましょうと、頼もしげに云った...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...もし君の御謀叛を必定(ひつじょう)と思し召して攻め滅ぼそうとし給うのなら...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...関白殿の御謀叛は幸い露顕に及んだとは云え...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...ついに“新院御謀叛”の征矢(そや)のまえに立たれてしまわれた...
吉川英治 「随筆 新平家」
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