...彼(あ)の子と彼(あ)の御母さんと――齡が三十も違つてゐてね...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...小景冬が來た夜は冷えるけれども星は毎晩キラ/\輝く赤ん坊にしつこをさせる御母さんが戸を明ければ爽やかに冷たい空氣がサツと家の内に流れこみ海の上で眼がさめたやう大洋のやうな夜の上には星がキラ/\赤ん坊はぬくとい股引のまゝで圓い足を空に向けて御母さまの腕の上にすつぽりはまつてしつこする...
千家元麿 「自分は見た」
...御母さんと淋しい他人の家の二階へ行つた娘を御父さんと別れてからあの御母さんの元氣なささうにくらしてゐた事を俺は忘れないだらうあの淋しい人達……幸福でつゝがなくあれ...
千家元麿 「自分は見た」
...「きっと青柳と御母さんと相談ずくで...
徳田秋声 「あらくれ」
...「御母さんも、まだ御休みにならないんですか」「ええ寝床の変ったせいか何だか勝手が違ってね」自分は貸浴衣(かしゆかた)の腰に三尺帯を一重(ひとえ)廻しただけで、懐(ふところ)へ敷島(しきしま)の袋と燐寸(マッチ)を入れて縁側へ出た...
夏目漱石 「行人」
...御母さんや直(なお)は止した方が好いでしょう...
夏目漱石 「行人」
...御母さんに渡しておきな」と注意した...
夏目漱石 「行人」
...あなたと兄さんの御父さんや御母さんのためにもこの手紙をかきます...
夏目漱石 「行人」
...御母さんが穴の傍(そば)へしゃがんだぎり動かない...
夏目漱石 「琴のそら音」
...浩さんもプラットフォームの上で物足らぬ顔をして御母さんの群集の中から出てくるのを待つだろう...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...御母さんは今に浩一(こういち)が帰って来たらばと...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...その時御母さんはせめて気立ての優しい嫁でもおりましたら...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...御母さんも話の腰を折られて無言である...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...御母さんは女の事だから理解出来んかも知れんが...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...とどのつまり事情を逐一(ちくいち)打ち明けて御母さんに相談した...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...御母さんわたしも明日(あした)御葬式に行きたいわと御仙にせびった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...「御母さんが是非千代ちゃんを貰えというのも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...御父ッさんと御母さんを離れたただの菓子を食ったり...
夏目漱石 「道草」
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