...「猫ですかい、姐さん、忘れ物と云ふのは?」「猫ぢや悪いのかい?――三毛、三毛、さあ、下りて御出で...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...「お父さんはいなくって?」「店に御出でだよ...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...若殿様が何気なく御居間へ御出でになると...
芥川龍之介 「邪宗門」
...御屋形の御客に御出でになる上(うえ)つ方(がた)の御顔ぶれで...
芥川龍之介 「邪宗門」
...ただ今では筑紫(つくし)の果に流浪して御出でになるとやら...
芥川龍之介 「邪宗門」
...その明るい月の中を車でゆっくりと御出でになりました...
芥川龍之介 「邪宗門」
...「ミスラ君は御出でですか...
芥川龍之介 「魔術」
...僕は民さん一寸(ちょっと)御出でと無理に背戸へ引張って行って...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...副長(ふくちょう)からのお話ですが、明朝(みょうちょう)、もう一度、御出で願うか、それとも御急ぎなら、所に附属している宿泊所(しゅくはくじょ)で、お待ちになってはということでございますが、どっちになさいますか」「そうですか...
海野十三 「英本土上陸戦の前夜」
...是非御出でを願い度いのです」文代が驚いて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それまでは辛抱して御出で」と慰め顔に此方を眺める...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...「あんなものあ、宅(うち)にあったって仕方がないんだから、持って御出でよ...
夏目漱石 「道草」
...よく御出で下さいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私の家へ御出で下された...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御前のやうな妻を持つたのはと言ひ捨てに出て御出で遊ばしました...
樋口一葉 「十三夜」
...ですからその積りで御出でなさい...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...神様がたゞ今この祭の庭へ御出でになつたと感ずるには...
柳田國男 「祭のさまざま」
...私のような賤しい者に御相談に御出でになりまするのも勿体ない事ながら御道理至極...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
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