...東京日本橋仲通りを徘徊した方が好さそうである...
芥川龍之介 「上海游記」
...二三その夕方倉地がほこりにまぶれ汗にまぶれて紅葉坂をすたすたと登って帰って来るまでも葉子は旅館の閾(しきい)をまたがずに桜の並み木の下などを徘徊(はいかい)して待っていた...
有島武郎 「或る女」
...昔彼が好んで徘徊していた大川端へブラリと出かけた...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...そのゝち毎夜奥御殿の外囲いを徘徊(はいかい)しながら見張りの配置を監督する一方に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...この地上を徘徊するのである...
外村繁 「澪標」
...酸鼻(さんび)を極むる原子野を徘徊(はいかい)した...
永井隆 「長崎の鐘」
...どこをどうして徘徊(さまよ)うているか消息が分らない...
中里介山 「大菩薩峠」
...其(そ)の日(ひ)も巡査(じゆんさ)は勘次(かんじ)の家(いへ)のあたりを徘徊(はいくわい)したがそれでも其(そ)の東隣(ひがしどなり)の門(もん)を叩(たゝ)いて穿鑿(せんさく)するまでには至(いた)らなかつた...
長塚節 「土」
...浅ましい醜態を曝(さら)して徘徊(はいかい)する位なら...
萩原朔太郎 「老年と人生」
...泥酔徘徊が一件あります...
久生十蘭 「母子像」
......
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...薄気味悪く療院中を徘徊している...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...予始めて渡英し王宮辺を徘徊すると...
南方熊楠 「十二支考」
...「松門暁到月徘徊(しようもんあかつきにいたりてつきはいくわいす)」(柏城尽日風蕭瑟(はくじやうひねもすかぜせうしつ))と僧であるが文学的の素養の豊かな人は添えて聞かせてもくれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...本郷追分(おいわけ)の辺(へん)を徘徊(はいかい)していたそうである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...どの路上にも徘徊する多数の遊女が代表して居る様に一寸(ちよつと)思はれるけれど...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...予は屡(しば/\)此(この)門前を徘徊(はいくわい)して帰るに忍びなかつた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...夜半徘徊(はいかい)している人間はありえぬはずで...
吉川英治 「江戸三国志」
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