...棗(なつめ)の葉が黄ばんでいる寺の塀外(へいそと)を徘徊(はいかい)しながら...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...二三その夕方倉地がほこりにまぶれ汗にまぶれて紅葉坂をすたすたと登って帰って来るまでも葉子は旅館の閾(しきい)をまたがずに桜の並み木の下などを徘徊(はいかい)して待っていた...
有島武郎 「或る女」
...彼方此方を徘徊しながら...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...ロンドンにてフリードリヒ・エンゲルス共産黨宣言(堺利彦幸徳秋水)共譯一個の怪物がヨーロッパを徘徊してゐる...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...この地上を徘徊するのである...
外村繁 「澪標」
...婆は最初から清岡が時ならぬ時分この近所を徘徊(はいかい)していたらしい様子といい...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...まめな惑星が目(ま)じろぎもせず徘徊する...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...閑雅な雜集が徘徊してゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...醉うて巷路に徘徊するもの...
萩原朔太郎 「氷島」
...たとい親の敵は目の前に徘徊(はいかい)するも私にこれを殺すの理なし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...折々伯の散歩場たるケーン・ウードを徘徊(はいかい)して...
穂積陳重 「法窓夜話」
......
槇村浩 「小熊秀雄と藤原運」
...予始めて渡英し王宮辺を徘徊すると...
南方熊楠 「十二支考」
...「松門暁到月徘徊(しようもんあかつきにいたりてつきはいくわいす)」(柏城尽日風蕭瑟(はくじやうひねもすかぜせうしつ))と僧であるが文学的の素養の豊かな人は添えて聞かせてもくれた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...野生の犬が群をなして原始林を徘徊し...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...又は附近を徘徊(はいかい)せしようの記憶無し...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
......
横瀬夜雨 「天狗塚」
...花を手にして木間を徘徊する黒い喪服の婦人達が其処彼処に見受けられる...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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