...僕は決してこういう町裏を徘徊(はいかい)する気にはならなかったであろう...
芥川龍之介 「本所両国」
...近文(ちかぶみ)の舊土人部落を徘徊して見た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...相變らず見すぼらしい部落のあちらこちらを徘徊しながら...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...三度(みたび)ユダヤ横丁を徘徊(はいかい)した...
海野十三 「地獄街道」
...「この人間は長年の間徘徊したりおどしたりしておったのじゃ...
チェスタートン 直木三十五訳 「金の十字架の呪い」
...青衣行酒影徘徊...
永井荷風 「十年振」
...その辺(へん)にはカッフェーを出た酔客がまだうろうろ徘徊(はいかい)しているので...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...」と村岡はとにかく酔って清岡がこの辺を徘徊(はいかい)している事を危険に思い...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...折節(おりふし)尾張町辺を徘徊(はいかい)し...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...人の懐中物を奪おうとするような性質(たち)のわるい女が江戸の市中に徘徊(はいかい)しているかと思えば...
中里介山 「大菩薩峠」
...実際其頃は犬殺しの徘徊すべき時節ではなかった...
長塚節 「太十と其犬」
...しきりに揺れている」玄堂の中を徘徊しながら...
中谷宇吉郎 「千年の時差」
...余は独(ひと)り構内を徘徊(はいかい)した...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...夜は遲く起きて徘徊す...
萩原朔太郎 「氷島」
...あたりを徘徊しているように...
火野葦平 「花と龍」
...「馬鹿奴(め)……」ト言ったその声が未だ中有(ちゅうう)に徘徊(さまよ)ッている内に...
二葉亭四迷 「浮雲」
...「シカシ考えて見ればお勢も恨みだ」ト文三が徘徊(うろつ)きながら愚痴を溢(こぼ)し出した...
二葉亭四迷 「浮雲」
...徘徊する義勇兵の眼の色が輝き出した...
横光利一 「上海」
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