...◯なお一例として三十八章末尾の鴉の記事を見るに「また鴉の子神に向いて呼(よば)わり食物なくして徘徊(ゆきめぐ)る時鴉に餌(え)を与うる者は誰ぞや」とある...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...彼がこの怪園を徘徊(はいかい)してゆくうちに...
海野十三 「地球盗難」
...彼の手下どもが徘徊(はいかい)する深夜の光景に至るまで...
海野十三 「見えざる敵」
...熱田(あつた)の八剣(やつるぎ)森陰より伏し拝みてセメント会社の煙突に白湾子と焼芋かじりながらこのあたりを徘徊(はいかい)せし当時を思い浮べては宮川(みやがわ)行の夜船の寒さ...
寺田寅彦 「東上記」
...この地上を徘徊するのである...
外村繁 「澪標」
...魑魅魍魎は時を得顏に君側を徘徊して毒焔を煽ぐに於て...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...見知らぬ若い徘徊者(はいかいしゃ)...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...Les sorgueurs vont sollicer des gailsla lune.(徘徊者は夜中に馬を盗みに行く...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...犬殺しや猫の皮剥ぎよりも更に残忍なる徒輩が徘徊するのを見ても...
永井荷風 「巷の声」
...そこを立退いて諸国を徘徊(はいかい)していたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...必ず桐の木の附近を徘徊(はいかい)してわざと主人の眼につくようにする...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...無限の「時」の中を徘徊してゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...その頃は浪人者が徘徊して...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...砂漠を徘徊(はいかい)する虎と申せば...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...薄気味悪く療院中を徘徊している...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...日ごとに市中を徘徊(はいかい)していた...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...本郷追分(おいわけ)の辺(へん)を徘徊(はいかい)していたそうである...
森鴎外 「渋江抽斎」
...彼の、十字街頭乞食了、八幡宮邊方徘徊、兒童相見共相語、去年痴僧又今來、の詩だの、歌だのをみて、その佗しい一室を考へると、これも亦、これ以外にはない、室の名である...
吉川英治 「折々の記」
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