...カフェーの椅子では得られない...
石川欣一 「可愛い山」
...疲勞の度が過ぐれば却て熟睡を得られない...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...わが心で殺し得られない恋を強(し)いて殺そうとかかって遂(つい)に殺し得られなかった三月である...
伊藤左千夫 「春の潮」
...文明の統一は信教自由ではほとんど得られない...
大隈重信 「日本の文明」
...どうしてもさうは祈り得られないで...
薄田泣菫 「恋妻であり敵であつた」
...読者の中にはただちにこれらの題目を類推し得られる方と得られない方とがあることだろうと思います...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...忍びの者を出して見ても一向要領を得られない...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...名誉が得られないとか...
田山録弥 「小説新論」
...Bに変ったAの表現をしか得られない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...世論を突き止める手懸りは得られないが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...許し得られないことだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...活かし得られないのである...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...これから一かけのパンも得られない時には...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...彼等には周囲からは得られないおべっかが...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...自分の愛する亨一との并存(へいそん)がどうしても望み得られないと思つた...
平出修 「計画」
...本当の満足は得られないものと考えている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...あの蛾よりもはるかに完全に妻に似てゐる形の女を妻だと思ひ得られない筈がない...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...何ぜまたこれほどの簡単な幸福と清浄さが私にも人にも得られないのだろうか...
横光利一 「夜の靴」
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