...また吉弥の旦那をもって得々としていたのである...
岩野泡鳴 「耽溺」
...得々として口を利いているように感ずるであろうけれども...
海野十三 「深夜の市長」
...得々として慈善心をほころばせて財布を開ける...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...得々としてゐるやうなことが往々にしてある...
田山録弥 「批評」
...得々として語りだすので語るにふさわしい...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...僕はいい年をしながらカッフェーに出入し給仕女に戯れて得々としているという事にされてしまった...
永井荷風 「申訳」
...科學者達は其の滅亡の跡を見て數々の原因を指摘しては得々としてゐるが...
中島敦 「環礁」
...得々として自分が持って行く」という事の中に...
中島敦 「斗南先生」
...幽霊でも無きやそつと忍び込める道理はありませんね」八五郎は得々として説くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しは得々として...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...多年の野望を遂げんとして得々としていた...
河本大作 「私が張作霖を殺した」
...四週間』あの茂みのなかにあったという説を立証するために実に得々として挙げてあるものは...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...婦女を欺すかの如き業を寧ろ得々としてゐるかの如き輩であつたから...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...山崎の合戦には刀傷をうけたなどゝいふことを得々として彼に物語つたが...
牧野信一 「貧しき日録」
...二十余日を経て五尺ばかりの大幅(たいふく)見事に出来上りたるつもりにて得々として帰り直(ただち)に浅井氏に示す...
正岡子規 「墨汁一滴」
...しかも得々として眼をつぶる者さえ些(すく)なくないのであります...
夢野久作 「鼻の表現」
...あの小説は目新しいとかいはれるので得々として書いてゐた...
吉川英治 「折々の記」
...得々として、司馬懿仲達の如き何する者ぞと、ひとり暢気(のんき)に豪語をならべておるではないか...
吉川英治 「三国志」
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