...それから徑は又少し上つて今迄通り馴れたOへの道に出ることが出來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...逶(うねくね)した徑(みち)が嶺に盡きると...
石川啄木 「赤痢」
...直徑尺五寸もある太い丸太の...
石川啄木 「鳥影」
...ところが、やれやれ! 彼が栗の花の被ひかゝつてゐるある庭の戸口の傍まで來た時に、それが急に引き開けられたので、彼がその内側に眼をやると、その庭の小徑に、手に皿を抱へてゐる肉屋の小僧の姿が見えた...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...それを發見するまでのさまざまの悲喜劇を織りこんだ苦心の徑路は...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...半ば草におおわれた小徑を...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...六藝も九流諸子も大體に於て同樣の徑路を取れることが明かであつて...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...午後雨小止(をやみ)したれば門外松下の小徑を歩み行くに...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...スペクトル線の各原子に固有なる事實から進入するが捷徑であると...
長岡半太郎 「原子核探求の思い出」
...徑路蛇行して或は密樹の下にいり...
長塚節 「草津行」
...一低い樅(もみ)の木に藤の花が垂れてる所から小徑を降りる...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...屹度(きつと)有(あ)んに極(きま)つてんだから」といふ聲(こゑ)を後(あと)にして畑(はたけ)の小徑(こみち)をうねりつゝ行(い)つた...
長塚節 「土」
...旁ら之によつて當時の文明一般の傳播せる徑路を辿らむと欲するのである...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...自分が此決心を男に打明けるに至つた迄の徑路を思返して見た...
平出修 「計畫」
...ホオリンゲンの館のすばらしい小徑をさまよひながら...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「或女友達への手紙」
...その徑の入口に、たくさん羊齒の生えてゐる、見るからに古びた別莊がある...
堀辰雄 「繪はがき」
...徑(こみち)を曲損(まがりそこ)ねたか...
三島霜川 「水郷」
...授業の事をも忘れて私は恐る/\なほその小徑を野原の方へ歩いて行つた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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