...後朝(きぬぎぬ)に...
泉鏡花 「薄紅梅」
...また後朝(きぬぎぬ)に卷きまきし玉の柔手(やはて)の名殘よと...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...又遊女高尾が某君(なにがしのきみ)に送りし後朝(きぬ/″\)の文(ふみ)に曰く「ゆうしは浪の上(うえ)の御帰(おんかえ)り御館(おんやかた)の首尾(しゅび)如何(いかゞ)此方(こなた)にては忘(わす)れねばこそ思(おも)い出(いだ)さず候(そろ)かしく...
宇田川文海 「松の操美人の生埋」
...優等で卒業し後朝鮮李王家の嘱托を受けて渡鮮し...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...明後朝頃は必定其地到着可致候間――且又今七ツ時頃...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...午後朝日新聞記者來訪...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...辞して出て来たその後朝(きぬぎぬ)のことに思い到ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな御袋(おふくろ)を持ったが最後朝から晩まで泣き通しに泣いていなくてはならない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...十二橋ほんに潮来(いたこ)へおいでなら佐原来栖(いけす)にお茶屋がござらう姉さめしませうのう姉さ花のかむろが後朝(きぬぎぬ)の雨は涙で降るぞへのう一夜(ひとよ)かりねの手枕に旅の妻(おかた)と唄はれて明日は恥(はづか)し のう姉さ皐月(さつき)照れ照れ菖蒲(あやめ)も植ゑよお女郎(じよろ)見ましよか十六島は雨の降るのに花が咲く...
野口雨情 「別後」
...雪(ゆき)の後朝(あした)の末(すゑ)つむ花(はな)に見參(げんざん)まへの心(こヽろ)なるべし...
樋口一葉 「曉月夜」
...日本語を変に訛らすフエリス出卯木劇よりも芝居へ母は行きたがり同町内は法華の通夜で寝そびれる同赤帽は火事場を落る程に背負ひ東魚通過駅そつけもあらず助役立ち同後朝(きぬぎぬ)の釜山は船の笛を聞き同甚五郎以後を我輩落を取り同小頭に貸せば万年筆を甜め同塾長の都をけなすまいことか同汗臭いのが御殿場でドカと乗り同養鶏場もどきにテニスコート出来同勘当がゆりて日比谷の嬉し泣き同冒頭のフエリスは横浜のフエリス女学校...
正岡容 「大正東京錦絵」
...三十日以後朝五・九夕方六・六位にきまった...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...結婚の後朝(ごちょう)の使いとして特別な人を宮はお選びになったのではなく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...後朝(きぬぎぬ)の惜しみなどあろうはずもない...
吉川英治 「私本太平記」
...男女は、岸と、舟の上で、後朝の惜しみを、くり返していたが、やがて、客の舟は河中に、女は、岸に立ち残った...
吉川英治 「平の将門」
...後朝に昨夜の共寝の「夢のごとき」味わい足りなさをはかなみつつまどろむと...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...後朝(きぬぎぬ)の女と男とによって描いているごとき...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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