...後戻りせざるべからず』といふ...
大町桂月 「白河の關」
...私が廻すと後戻りすることがたまたまあるのだ...
太宰治 「津軽」
...後戻りするのも面倒ですから...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...いま出たばかりの「劇場後の劇場」へこうして後戻りしたのである...
谷譲次 「踊る地平線」
...私は、「そらまた、あのとおりの悪たれ婆(ばばあ)だから始末にいけない」と心の中で慨歎(がいたん)しながら、後戻りをして、も一度戸を叩いて、近所へ恥かしい思いをさしてやろうかと思ったが、いつものとおり失望と悲憤との余り息切れがするまで精神が消耗しているので、そっと胸の動悸を抑えるようにしてそのまま路次を出て来た...
近松秋江 「霜凍る宵」
...どんなことがあってもこの男を後戻りさせることは出来ないだろうから...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...數ヶ月間の努力が無駄に又後戻り致しました...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...色々書いたことが皆後戻りをして居る...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...名古屋へ行くのは後戻り……つまり自分というものは...
中里介山 「大菩薩峠」
...美濃路へ後戻りをしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...原始生活に後戻りしているのである...
中谷宇吉郎 「捨てる文化」
...3+2=5に後戻りしたので...
中谷宇吉郎 「六三制を活かす道」
...少々後戻りしてその後の加十の行動を述べると...
久生十蘭 「魔都」
...その裏木戸のあたりを、もう十分も前から通り過ぎたり、後戻りをしたり、そっと中の様子にきき耳をたてたり、いきなり、びっくりしたようにあたりを見回したりしている一人の男がありました...
平林初之輔 「祭の夜」
...後戻りしてはまたゆきつき...
正岡容 「小説 圓朝」
...今來た道を後戻りしようとしたが...
正宗白鳥 「雨」
...そこで『認識』へ後戻りして言うとですね...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...少年は探偵に注意して一段後戻りさせて...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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