...寒い北風の吹く中で井戸端の立木に内儀さんは後ろ手にゆはへつけられてゐました...
伊藤野枝 「白痴の母」
...白倉山の後ろ手が...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...後ろ手に襖を閉めた...
直木三十五 「南国太平記」
...後ろ手に閉めて、二人の前へ坐ると「何か、証拠の品が、あると申されるか」「ござります――これなる――」仙波が、膝の上で、包みかけていた箱を、差出した...
直木三十五 「南国太平記」
...後ろ手に結(ゆわ)かれたのを解いてもらう暇がなくって...
中里介山 「大菩薩峠」
...後ろ手に両手を突いて...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...お前のような殺人鬼はこの世の中へ放し飼にして置くわけには行かない――それッ」後ろ手に扉(ドア)を開けると...
野村胡堂 「死の予告」
...後ろ手に縛られて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「死んだ筈はないと仰しやれば、唯今何處にいらつしやるのでございます」「それは知らぬ」「では、死んだか、生きてゐるか、御存じない筈で」「揚足(あげあし)を取るな、困つた奴だ」「揚足を取るわけぢやございませんが、百本杭から揚つた死骸の始末をつけないわけには參りません」「それは志賀内匠氏でないと言つたら、それでいゝではないか」「その内匠樣は、何處にいらつしやるので?」「くどいツ」川上源左衞門は本當に腹を立てた樣子で、平次とガラツ八を睨め廻し乍ら、後ろ手を伸して、上り框(がまち)に置いた長いのを引寄せます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後ろ手を突いて大きく息をしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――氣の毒だが先生を殺した下手人はその女ぢやないよ」孝吉は後ろ手を腰へためて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...後ろ手で扉をしめると...
久生十蘭 「金狼」
...真名古はそれを後ろ手で背中へ隠しながら笑子の傍まで戻って来ると...
久生十蘭 「魔都」
...後ろ手にいましめられて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...木の下に白髪垂れたる後ろ手の母を見るなり山ほととぎす皐月が咲き蜜柑の花が咲くやうになると人里近くにも山ほととぎすが出て来てしきりに啼く...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...後ろ手にくくられていた...
吉川英治 「私本太平記」
...後ろ手に縛(くく)しあげ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...素縄で後ろ手に縛(から)げたお通を...
吉川英治 「宮本武蔵」
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