...少しづゝ彼は列から後れた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...小父さんは登志子の顔を見ると昼の汽車に後れたことを彼女のためだといって責めた...
伊藤野枝 「わがまま」
...長寿ではなかつたが兎(と)も角(かく)も十何年か後れた徳次郎の父は...
犬養健 「朧夜」
...また御陳述の如く期日の後れたるため毎号改良の点も可有之とは存じ候えども...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...傲慢にしてはなはだしく時勢に後れたるの致すところである...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...文武官・小商人・其の他の小市民層及び後れた層の農民等々と結び付いて...
戸坂潤 「技術の哲学」
...恐らくドイツ的に後れた生産機構のおかげで従って政治的自由や理性乃至悟性の政治的実践への活用から絶縁して専ら講壇化された結果であろう...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...「僕は君に一寸話したいことがあって、前から機会を待っていましたが、仕事の方が忙しかったものですから、後れたのです...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...鎖国のために科学に後れた我国の人たちは...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...そんなことを言わずに貸してもらいてえ」「一足後れたのが手前の不運だから...
中里介山 「大菩薩峠」
...相撲取だ――とすれば、この一行の贔屓(ひいき)相撲が心配のあまり、あとから追いついて来たのか、そうでなければ、一緒に護衛の任に当って来たのが、一足後れたのか、ともかくも、こちらの味方でなく、先方の後詰(ごづめ)の形で現われたということをお角が見て取っていると、右の相撲は刀を抜いて、ひとり立っている美少年の方に向い、一人は手に携えていた太い棒をグルグルと振り廻して、逃げ惑う味方を追っかけている武士方に立向う...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの批評のために自分が世間に知られる機会が二十年後れたと云った...
「長塚節氏の小説「土」」
...着(ちゃく)の時間が珍らしく三十分ほど後れたのを...
夏目漱石 「門」
...跡片付けで少し後れたガラッ八が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかしまだ/\知らない人も多いだらうからさういふ謂はゞ外国語を習ひ後れた人には...
二葉亭四迷 「エスペラントの話」
...この事情はすなわち数学をして他の諸学科よりも一歩を後れたかの観あらしむるに至ったゆえんの一因である...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...その翌日は下城が後れた...
山本周五郎 「竹柏記」
...逃げ後れた群衆は壁にひっついたまま唸り始めた...
横光利一 「上海」
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