...少しの加減で午前九時の下り列車に乗後れて了つた...
石川啄木 「雪中行」
...卒業も二年ばかり後れたけれども...
泉鏡花 「婦系図」
...九 小窓から出たEの顔龍子は定められた順番よりはずつと後れて五時近くになつて呼ばれた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...用の都合で一時間や二時間後れる位の事はあたり前だとおもつて行かなくつちや...
伊藤野枝 「惑ひ」
...やゝ後れ騎兵の群は續き行く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...大勢の土人が立ち並んでゐるのにちよつと気後れがし...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...学校に後れてしまった...
豊島与志雄 「楠の話」
...阿父のような時代後れの人間は東京のような烈(はげ)しい所には向かない...
夏目漱石 「虞美人草」
...もう三十分ほど後れていた...
夏目漱石 「門」
...弓槍劍人に後れを取る氣はないが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最も後れているにもかかわらず...
野呂栄太郎 「十月革命と婦人の解放」
...今日でもなお時とすると時世後れの人達は植物学と本草学とを同様に思っている者が無いでもない...
牧野富太郎 「植物記」
...今日夕暮の事なり例の髯曹長は前の宿舎に来りて怒鳴り散らすやう「お前らはなぜ飯を定規の時間に取りに来ぬか時間に後れて取りに来ては困るぢやないかこの後時間におくれたら飯を渡さぬからそのつもりで居るやうに………その上に自分で飯を取りに来ずに人に取りに来させるとはどういふわけだ………」今まで黙つて聞いて居たる某は得(え)こらえずして「私ども自分で飯を取りに行く事は出来ません」と答へぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
...後れ毛をかきあげて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...実は中間の遊に後れてゐなくてはならない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...又これに後れて追書(つゐしよ)した文字は天保六年七月二日に及んでゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それは自分が後れたと云うことである...
モルナール・フェレンツ Molnar Ferenc 森鴎外訳 「破落戸の昇天」
...まださほどひどく後れていなかった当時としては...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??