...後で聞きゃ、ある時も、結婚したての細君を連れて、芳原を冷かして、格子で馴染(なじみ)の女に逢って、(一所に登楼(あが)るぜ...
泉鏡花 「婦系図」
...後で分ったところによると...
海野十三 「一坪館」
...後でくすくす笑っていた...
徳田秋声 「爛」
...わたくしが後で見つけましたあの...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...終戦直後では、踏み切ろうとしてるだけで足りた...
豊島与志雄 「小説集「聖女人像」後記」
...いずれ後で話すよ」お延は黙るよりほかに仕方なかった...
夏目漱石 「明暗」
...縄張話は後で付けようじゃないか」ガラッ八は突っ張りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――多分嵐の後で置いたものであらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...源氏をば一人となりて後に書く紫女年若く我は然らず紫式部が源氏を書き出したのは夫に死に別れた後であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...支店長に引合はされて三田は大河原に挨拶した後で...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...どうして今ごろ――?敦子 御挨拶は後でします...
三好十郎 「樹氷」
...如是幾多の辛酸を經過した後で...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...多くは一着三円前後で...
柳宗悦 「四十年の回想」
...が直ぐその後で、お霜は病人が紙幣を自分に預ってくれと頼んだとき、預っておけば好かったと思って後悔した...
横光利一 「南北」
...後で洗うとしよう...
吉川英治 「私本太平記」
...気まぐれが、また、気まぐれを生んで、先はどうでも、こっちでは、さほどにも考えていない女を、つい、あのまま、この大坂まで連れて来てしまった治郎吉が、後で、こうと打ち明けられてみると、恋ばかりではない女の気もちに、その時は、ちょっと、興もさめたが、また、抛ってもおけない彼でもあった...
吉川英治 「治郎吉格子」
...なぜなら客が木村氏だけに将棋の機動性とあの象形がなんとなく後でも頭のすみにあったからである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...後で奈良井の大蔵に叱られることが恐(こわ)かったのと...
吉川英治 「宮本武蔵」
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